6連敗で自力Vが消滅した中日のなぜ
前述の池田氏は、「混セの中で、中日がいち早く離脱することになった理由のひとつは選手層の薄さだと思う。外国人を除いては、オフの補強がほとんどできなかったチーム。吉見や岩瀬が離脱するなどして、チームの層の薄さが結果として出てしまっている。優勝となると、見通しは厳しいと言わざるを得ない」と見ている。 この6連敗中は、いずれも先発、中継ぎと投手陣が崩壊した。この日のゲームでは、先発の雄太が6回途中まで1失点に抑える好投を見せたが、田島、又吉が1球に泣いた。 チームは、13日にインディアンズで中継ぎ起用されていた左腕のラファエル・ペレス(33)と、独立リーグ四国IL・香川でプレーしていたドリュー・ネイラー(29)を緊急補強した。この日、さっそくネイラーを一軍登録している。彼らが投手陣整備のポイントになれば逆襲の可能性も出てくるだろうが、池田氏は、「獲得した2人の投手は、やりくりの中でチームのプラスになってくれればという選手。ソフトバンクのバンデンハーグのような1試合を任せられる、今後のチームの軸となるような超A級のピッチャーではない。劇的にチームを変えるような期待をするのは難しいだろう」という厳しい見方。 「ただ混セゆえにクライマックスシリーズ出場も含めて中日の可能性がゼロになったわけではない。故障者が戻り、総力戦で粘り強く勝ちを拾っていけばチャンスはあると思う」 池田氏は、そう逆襲の可能性に含みを持たせた。 確かにチーム防御率の3.25は巨人、広島に次ぐ3位。打率の.258も広島と並んで2位タイ。チーム本塁打を除けば、各部門で最下位に甘んじている数字はないのである。 前日の会見で、谷繁監督兼選手は、混セから脱落しないためには「勝利に対する執念が必要」と語っていた。いろんな意味での執念が、自力V復活の鍵なのかもしれない。