韓国 時代とともに変わるデモ…「ペンライトにK-POP」若者に根付いた“民主主義”
■「民主主義を守った」若者に刻まれた実感
午後5時すぎ。大統領の弾劾決議案の開票結果の判明を目前に会場は静まりかえり、モニターに映し出される国会中継の音だけが響いていた。そして可決が決まった瞬間、静寂をのみ込むように大歓声がソウルの空にとどろいた。若者たちが手をたたき、抱き合い、そして涙を流していた。 今回の非常戒厳をきっかけに、初めてデモに参加したという22歳の女子大学生は「若者は政治に関心がないと思うことが多いが、今回のデモでは20代の女性が本当に多い。20代の女性たちが自国の政治に関心があることを見せられたことは、意義深いと思う」と話した。 また、母親とともに参加した15歳の女子中学生は「泣くほどうれしかった。これからも民主主義がさらに発展する大韓民国になってほしい」と語った。 12月3日の非常戒厳以降、多くの若者が声を上げた。その声が、再び訪れた民主主義の危機から守ったという実感を得たはずだ。 尹大統領の弾劾判断の舞台は憲法裁判所に移った。2025年には罷免の可否が決まる。「民主主義を守るために――」受け継がれてきた思いを同じく、若者たちは声を上げ続ける。