イーロン・マスクが英国王に議会解散を呼びかけ、「事実に反する」との非難も
イーロン・マスクは1月4日、英国のチャールズ国王に議会の解散を呼びかけ、約10年前に発生した性犯罪者集団への英国政府の対応の是非を問うための総選挙を行なうように求めた。マスクのこの動きは、彼が「事実に反する主張」をソーシャルメディアで広めているとの非難にも直面している。 マスクは、X(旧ツイッター)で、自身がチャールズ国王に議会の解散を求めたことを報じたメディアの記事を引用し、「陛下が国民の利益のためにこの問題を検討して下さることを心から願っています」と投稿した。 マスクはまた、別の投稿でキア・スターマー首相が検察トップを務めた2008年から2013年までの期間に、英国各地で発生した少女を狙った性犯罪の容疑者を適切に処罰しなかったと非難した。彼は、首相を「レイプ犯罪の共犯者」と呼び、「英国史上最悪の集団犯罪」の責任を問われるべきだと主張した。 マスクはさらに、女性と少女に対する暴力防止大臣(Minister for Safeguarding)のジェス・フィリップスが、イングランド北部オールダムで発生した児童への性的搾取スキャンダルに関する政府の公式調査を拒否したことから、「刑務所行きがふさわしい」と主張した。 しかし、BBCによるとフィリップス大臣は以前に、オールダムの地元当局が調査を実施するべきだと発言しており、2022年には保守党が率いる政権が同様の要請を却下していた。 英保守党のアリシア・カーンズ議員は、マスクがこれらの事件の被害者から世間の注意をそらしていると非難し、彼がXに投稿した内容には誤情報が含まれていると指摘した。保守党は、マスクが「事実に反する情報を広めている」と非難している。 現在の英国政府を掌握する左派の労働党は、少女への性的虐待の調査を怠ったとして、マスクを含む右派の陣営から非難されている。マスクは、ここ最近英国の政治への関与を含めており、12月には極右政党のリフォームUKを率いるナイジェル・ファラージ党首とも会談した。ファラージによれば、マスクは同党への資金援助を「真剣に検討」しているという。 マスクはまた、シリア難民に対する誹謗中傷の罪で有罪判決を受けて服役中の極右活動家、トミー・ロビンソンの釈放を政府に呼びかけている。ロビンソンは2018年にツイッターのアカウントを凍結されたが、昨年11月にマスクは、彼のアカウントの凍結を解除していた。 マスクは他の欧州の国の政治にも関与しており、ドイツの極右政党である「ドイツのための選択肢(AfD)」を支持するほか、イタリアの右翼政党である「イタリアの同胞(FDI)」を率いるジョルジャ・メローニ首相とも友好関係を築き、同国の反移民政策を支持している。
Ty Roush