2025年は本当に「AIエージェント」の年になるのか?…直近の調査から見えてくる”働くAI”の「意外な事実」
AIエージェントとは何か
ここ数年の世界的な生成AIブームを経て、今年2025年は「AIエージェント」の普及元年になると見られている。 【マンガ】グーグルが上場したときに「100万円」買っていたら、今いくら? AIエージェントとは、私たち人間に代わって新製品の設計図を書いたり、本格的なウェブサイトを構築したり、オンラインで航空券を予約したり各種商品を購入したり…とさまざまな業務をこなすAI、つまり「働くAI」である。 もっともChatGPTに代表される従来の生成AI(基本的にはチャットボット)も、使い方次第では取引先へのメールや業務レポートを代筆したり、コンピュータのプログラミングをしたり…と、ある程度の仕事はこなしてくれる。が、大抵の場合、それらの仕事は私たちがAIにワン・ステップで指示できる単純な頭脳労働だ。 しかしAIエージェントはそれをさらに一歩前に進めて、私たちユーザーが多段階に渡る込み入った業務を委託しても、AIの方が最初から最後まで自律的に判断して働き、そうした複雑な業務を完遂してくれる ―― そんなイメージで捉えられている、あるいは(これまでのチャットボット等と)区別されているようだ。
「Siri」「Alexa」との違い
本来、広い意味でのAIエージェントにはアップルの音声アシスタント「Siri」やアマゾンの「Alexa」など、従来のスマホや先端的な家電製品に搭載されてきた音声アシスタントなども含まれる。 また自動運転車やヒューマノイド(人型ロボット)なども、自らに搭載されたAIによって、ある程度自律的に仕事をするという点では、AIエージェントの一種と見ることもできる。 しかし最近IT業界で話題に上っているAIエージェントは、むしろOpenAIのGPT-4oやグーグルのGeminiなどLLM(大規模言語モデル)をベースとする次世代版「働くAI」のことだ。 たとえば米グーグルが昨年12月に発表した「Mariner」や、米アンソロピックが昨年9月にリリースした「Claude for automating operations」などがAIエージェントの先駆けと見られている。 https://www.youtube.com/watch?v=2XJqLPqHtyo 動画1:グーグルが開発中のAIエージェント「Mariner」 https://www.youtube.com/watch?v=ODaHJzOyVCQ 動画2:アンソロピックのAIエージェント「Claude for aumating operations」 またOpenAIも早ければ今月(1月)には(開発コードネームが「Operator」と呼ばれる)AIエージェントを発表する見通しだ。他にも米国の「Agentic.ai(https://agent.ai/)」や「Agentic Labs(https://www.agenticlabs.com/)」など、いくつかのスタートアップ企業が同様の技術を公開している。が、それらの多くは本格的な商品というより、まだ試作・試用の段階にあると見られる。 大手のグーグルが提供する(前掲の)Marinerでさえ、昨年12月に発表された時点では未だプロジェクト(企画、計画)の域を出ていない。その性能を評価したりユーザーの反応などを見るために、一部の企業や開発者らに対して限定的に提供されているだけだ。一般ユーザーに向けて実際の商品としてリリースされるのは、もうちょっと先になる見通しだ。
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