FRBが利下げを開始し次のステップ示唆へ-利下げ幅は予想分かれる
両氏は、「リスクバランスは2大責務の雇用側にシフトしている」としたウォラー理事の今月6日の発言に類似した表現をFOMCが採用する可能性があると論じた。
FOMCはまた、労働市場の一段の冷え込みを「歓迎しない」との表現を用いる可能性もある。パウエル議長が最近の講演で使ったグリーンスパンFRB議長時代の文言だ。
当局者が声明で将来的な利下げを示唆するかどうかや、どのようなシグナルを発するかを巡って、エコノミストの意見は分かれている。ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によると、当局者がさらなる調整の可能性を認めるだろうと約44%が回答。一連の利下げを追及する意向を一層明確に表明して、ペースに関するガイダンスも示す可能性があるとの回答は31%だった。
記者会見
記者会見はFOMCの考えだけでなくパウエル議長の見解についても手掛かりを提供する。FRBウオッチャーはパウエル議長について、FOMCの中央に位置する投票権メンバーよりも労働市場の最近の軟化に不快感を抱いているとみている。
パウエル議長は、景気や雇用の面でほとんど代償を伴うことなく、インフレを抑制することができるとの見方を強めている。現時点での失業者数の急増は政治的にも経済的にも大きなコストをもたらすことになり、いかなる中央銀行首脳も避けたい状況だ。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の米国担当チーフエコノミスト、アナ・ウォン氏は「米金融当局が17、18両日の会合で利下げを開始するのはほぼ確実だ」としつつも、最初の利下げが0.25ポイントなのか0.5ポイントなのかは「予断を許さない」とコメントした。
その上で、予想との整合性やリスク管理などを踏まえれば、0.5ポイント利下げの方が「適切な選択」とBEとしてみていると指摘。ただ、これまでのところ大幅利下げの可能性に関する明確なシグナルがなく、0.25ポイント利下げの選択肢の方向にあるようだとの分析を示した。