FRBが利下げを開始し次のステップ示唆へ-利下げ幅は予想分かれる
FOMC議事要旨、「幾人か」の当局者は7月利下げの論拠を指摘
一方、8月の米消費者物価指数(CPI)のうち、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比で伸びが加速し、金融当局として慎重に行動する必要性を裏付ける内容となった。
ドット・プロットでは、中央値で年内計3回の0.25ポイント利下げ見通しが示される可能性がある一方、一段と急ピッチで利下げを進めるべきだとみる当局者も幾人かいると想定される。
調査会社LHマイヤー/マネタリー・ポリシー・アナリティクスのエコノミスト、デレク・タン氏は「幾人かの当局者は、今回は0.5ポイントの利下げとすべきだと考える一方、0.5ポイント利下げは年内のもっと遅い時期にすべきだとする考えもあるだろう」と指摘した上で、「米経済は当局者が予想していたよりも急ペースで減速している」と語った。
米金融緩和への賭けが記録的水準、大幅利下げなければ損失リスク
今年の経済見通しも修正されることになりそうだ。8月の失業率は4.2%と、6月時点の当局者見通し中央値の4.0%を既に上回っているほか、米金融当局がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数は、7月の総合価格指数が前年同月比2.5%上昇となり、6月の当局者見通し中央値の2.6%上昇を下回っている。
FOMC声明
FOMCは四半期経済予測については投票しないが、声明を巡っては投票を行う。物価の安定と最大限の雇用の実現という二つの責務と比較し、委員会全体として当面の見通しをどう捉えているのか、定性的説明を提供するものとなる。
雇用とインフレのリスクバランスに関する文言を含め、表現変更の幾つかの可能性が考えられる。
7月31日のFOMC声明は、雇用とインフレの目標達成に対するリスクが「引き続きより良いバランスへ移行している」としていたが、パウエル議長とウォラー理事の最近の発言とは沿わないものとなっていると、マクロポリシー・パースペクティブズのジュリア・コロナド、ローラ・ロスナーウォーバートン両氏は指摘する。