【この冬、佐渡へ旅したい】洗練されたモダン空間から日本海を見渡すゲストハウスに宿泊
新潟県の佐渡島。世界農業遺産にも認定され、海の幸、大地の稔、森の恵みに満ちたこの島では、移住者が紡ぐカルチャーと地場の文化が、互いの個性をリスペクトしながら隣り合っていた。旅の計画を立てたら、真っ先にリザーブしたいのが滞在先。窓から見える景色さえも一幅の絵画のように感じる、海辺のゲストハウスを紹介。 【写真】佐渡のモダンなホテル&ゲストハウス
《STAY》「Guest Villa On the 美一(ビイチ)」 海沿いのモダンヴィラで格別な“眠り”に浸る
大佐渡と小佐渡の繋ぎ目、大地がダイナミックに入り組んだ真野湾に沿って車を走らせる。牧歌的な海辺の景色が連なるなか、突如として現れるキューブ型のソリッドな建物が「Guest Villa On the 美一」である。 ここは、1階にフレンチレストランとファンクションルームを据え、2階をゲストハウスに、離れをリトリートルームとして展開する。家主は横浜やハワイでホテル業界に身を置き、洗練されたおもてなしの最前線を経験した山内三信さん。 佐渡へ移住したのは23年前のこと。妻の実家が営む海産物の会社へ転身、4代目を継承する修行を積む傍ら、自らの生きがいとして2015年にヴィラを開業。父「美一(よしかず)」さんの名前を「beach」の響きに重ね、真野湾随一の美しい止まり木を築いた。 ホテルや民宿が主流の離島において、あえてゲストハウスというスタイルを選択したのには、「島外の方だけでなく、佐渡に住まう人たちに非日常を感じてもらえる空間を作りたかった」という想いもあった。オープンからほどなく、佐渡では異質なモダン空間の存在が知れ渡ると、今では別荘感覚で滞在する地元の人も多いという。
遠く海外からもリピーターが絶えない訳を、2階のゲストハウスゾーンに上がってすぐに納得した。階段を上り切った視線の先には、北国らしい凜とした空気を纏った海岸線が広がり、思わず窓辺に歩み寄ってしまうほど清々しい。 L字型にソファを配した共有スペースは、4人がけのテーブルセットを伴ったアイランドキッチンと一続きに隣り合い、天井の高さが一層の開放感をもたらす。ベッドルームは、ツインルームが2室、ダブルルームが3室。外出先から戻った旅人が最も大切にするのが“眠りにつく”ひとときだと考え、ヴィラを設計する段階から、眠ることに最も重きを置いた。