スポーツ賭博と株式投資は、同じようなものですよね? いえ、違います(海外)
一獲千金の罠にご用心
なくなっても大丈夫なお金を使うのであれば、スポーツにお金を賭けたり、高リスクな投資を行なったりしても、問題はないだろう。しかし、それは長期的に資産を形成するのに適した戦略ではない。 一獲千金を狙って株式やスポーツの試合を選ぶようになると、高いリスクを冒す危険性が高まる。最小の労力ですぐに利益を得るという可能性は魅力的だが、ほとんどの人は大損をすることになる。 カリフォルニア大学ロサンゼルス校と南カリフォルニア大学の研究チームが発表した論文によると、多くのアメリカ人、特に若者が、オンライン経由のスポーツベッティングを通じて経済的な問題に陥っている。彼らは、貯金、借金の返済、投資などではなく、ギャンブルに資産を投じている。 「デイトレーディング、単一銘柄の選択、レバレッジなどといった戦略が投資を過度に刺激的なものにしてしまうので、注意が必要だ」とイーガン氏は指摘する。 富を築く最善の方法は、単一銘柄やギャンブルではなく、経済的な目標あるいはリスクの許容度などを考えながら長期的に行なう低リスクの投資である。スポーツへの賭けと違って、株式市場への投資は、「アドレナリンを放出しない」ものであるべきだと、イーガン氏は語る。「スポーツベッティングはスリルを楽しむもの。お金はスリルを高めるための手段でしかない」
ひとつにすべてを賭けるのは避ける
投資へのリターンは、ペンキが乾くのを眺めるのと同じで、とてもゆっくりとしていて、基本的には予測も可能だ。ほとんどのファイナンシャルアドバイザーは、さまざまな株式、債券、そのほかの投資証券を用いて、投資ポートフォリオを分散させることを勧める。ギャンブルとは逆だ。 「投資では、巧みに分散された低コストのポートフォリオに資金を投じることが“勝ち”につながる」としたうえで、イーガン氏はこう続けた。「ギャンブルではたくさんの対象に大金を投じると、ほとんどの場合でみるみるうちに資金が減っていく」 個別株の価値は市場の感情や経済状況によって変動する。分散化したポートフォリオは、個別株を自分で選ぶよりも安全で、大きく損をする危険性は低い。さまざまな市場セクターに投資することで、市場を支配するリスクや変動性の影響を大幅に減らすことができる。 加えて、ひとつの企業やスポーツ試合に賭けるのとは異なり、分散化アプローチを用いることで、市場におけるさまざまな機会から利益を得る可能性も高まる。