ブライトン・ライダーS510インプレッション 高機能サイコンの生き残る道|Bryton
「クライムチャレンジ」が進化
ブライトンの売りの一つが、クライムチャレンジという機能だ。ルート上にある登坂のデータを表示するもので、まず、上りが近づくと登坂開始までの距離が表示される。上り始めると、勾配の強弱を色で表現した高低図、獲得標高、総距離、残り距離、走行中の勾配などを見ることができ、ヒルクライムのペース配分が行いやすくなる。 新型では、このクライムチャレンジ機能が新しくなり、「クライムチャレンジ2。0」へとアップデートされた。前作はルート作成をしないとこの機能が働かなかったが、新型はルート作成をしていなくとも、上りが近づいたらクライムチャレンジ機能が起動する。ナビを必要としないいつもの練習コースや、目的地を決めずに気ままに走る自由なライドでもクライムチャレンジ機能を使えるようになったのだ。
標準的なアプリや機能はフル装備
データのアップロードや管理、設定などはブライトンアクティブアプリで行う。また、ストラバ、トレーニングピークス、Ride With GPSなどと同期させることも可能。
トレーニングアプリとも連動する
トレーニング関連機能も充実しているS510。ブライトンアクティブアプリやトレーニングピークスで作成したメニューを実行すれば、その内容をグラフで分かりやすく表示する。プロ選手からのフィードバックをもとに構築した機能だという。 S510は、ローラー台の負荷調整機能を制御するANT+ FE-C規格に対応しているため、互換性のあるスマートトレーナーと接続すれば、負荷と目標パワーを設定できる。スマートトレーナーでライドログをシミュレートする機能もある。
使い勝手、良し
では実際の使用感を。本体・アプリの設定は取扱説明書と首っ引きになる必要はなく、直感的にできるよう吟味されている。本体のユーザーインターフェイスも、「どんな階層があり、今どこの情報を表示しており、どうすれば進む・戻るが可能なのか」が分かりやすい。 まず気に入ったのが、ライドのスタート/ストップ時に鳴る「ピピッ」という作動音。雑音が多い屋外でも明瞭に聞こえるが、耳に刺さるほど刺々しくはなく、透明感のある爽やかな音色だ。音なんかどうでもいいと思われるかもしれないが、ライド中に何度も耳にするのだから、決して疎かにはできない。 ブラックでフラットな液晶画面が本体いっぱいに広がっているというシャープな造形も最新ハイエンドバイクによく似合って好ましい。メーターは常に目に入るものだから、形の魅力やメーカーロゴのセンスも非常に重要だ。 物理ボタンは左右側面に2つずつで、分厚いグローブをしていても押しやすい。動作はスマホほど速くはないが、さほどもっさり感もなく、ストレスはない。ルート案内は車のナビ同様の分かりやすい方向表示。どうでもいいことだが個人的に地図の向きはノースヘッド派。 この種の高機能サイコンはすでにそこそこの歴史がある。よって表示方法や操作方法はある程度の正解が決まりつつあり、このライダーS510も基本的にはそれに則って作られているため、使う上で違和感は全くなし。 マニュアルを隅から隅まで読み込まなくとも、基本操作のみ覚えてしまえば、画面に表示される案内に従っているだけで問題なく使える。