アリババ、日本市場に特化した越境ECアプリ「TAO」を本格始動 「SHEINやTemuと競合しない」
競合について
TAOのリリース当初、同じく中国発の格安越境EC「SHEIN(シーイン)」や「Temu(テム)」と競合する可能性があると多くのメディアが報じたが、市場運営責任者の劉氏は「競合することはない」と明言。SHEINとTemuが低価格戦略を前面に打ち出しているのに対して、TAOは独自性のある良質な商品を手頃な価格で提供することを重視している。劉氏は、TAOは日本市場向けのライフスタイル商品に完全に特化している点でも、SHEINやTemu、さらにアマゾンジャパンや楽天とは一線を画していると強調した。 筆者が実際にTAOアプリをダウンロードして使ってみたところ、中国発の格安越境ECによく見られる割引キャンペーンやクーポンの派手なバナーがなく、低価格商品で勝負しているような印象はなかった。著名なUI(ユーザーインターフェース)デザイナーの田中良治氏が担当しただけあって、インタラクションやサイトデザインからは、日本市場に対する本気度がうかがえる。しかし、現在のところ「TAOを積極的に使いたい」と思わせる決定的な魅力は見つからなく、AI翻訳の商品ページにも限界を感じたのが正直なところだ。 TAOの参入により、日本のEC市場はさらに盛り上がると予想されるが、既存のプレーヤーが数多く存在するなかで、TAOの強みをどこまで発揮できるかは未知数だ。今後の展開に注目したい。 (36Kr Japan編集部)