なぜ同じ過ちを繰り返す…戦争やテロのない平和な世界を実現する4つの条件
哲学者カントの言葉
ここまで書いたところで、そういえば哲学者のカントが同じようなことを言っていたと思い出し、カントの『永遠平和のために』(岩波文庫、1985*初出は1795年)を読み返して見ました。すると、同じようなことが書かれていました。目次を転載します。 イマヌエル・カント、永遠平和のために(岩波文庫、1985) 第一章 この章は、国家間の永遠平和のための予備条項を含む 第一条項 将来の戦争の種をひそかに留保して締結された平和条約は、決して平和条約とみなされてはならない。 第二条項 独立しているいかなる国家も、継承、交換、買収、または贈与によって、ほかの国家がこれを取得できるということがあってはならない。 第三条項 常備軍は、時とともに撤廃されなければならない。 第四条項 国家の対外紛争にかんしては、いかなる国債も発行されてはならない。 第五条項 いかなる国家も、ほかの国家の体制や統治に、暴力をもって干渉してはならない。 もっとも、一つの国家が国内の不和によって二つに分裂し、それぞれが個別に独立国家を称して、全体を支配しようとする場合は、事情は別かもしれない。その際、その一方に他国が援助を与えても、これはその国家の体制への干渉とみなすことはできないであろう。 第六条項 いかなる国家も、他国との戦争において、将来の平和時における相互間の信頼を不可能にしてしまうような行為をしてはならない。たとえば、暗殺者や毒殺者を雇ったり、降伏条約を破ったり、敵国内での裏切りをそそのかしたりすることが、これに当たる。 第二章 この章は、国家間の永遠平和のための確定条項を含む 永遠平和のための第一確定条項 各国家における市民体制は、共和的でなければならない。 永遠平和のための第二確定条項 国際法は、自由な諸国家の連合制度に基礎を置くべきである。 永遠平和のための第三確定条項 世界市民法は、普遍的な友好をもたらす諸条件に制限されなければならない。