大雨の日に助けた猫の「恩返し」?…フォロワー10万人の作家が語る、不思議な縁
びしょびしょで座っていた猫が
翌日は大雨でした。 自宅にいたMEBARUさん。「猫が鳴いてない?」と家族が気づいて外を見ると、窓のそばに1匹の猫が座っていました。柄や雰囲気から一目で「昨日の猫」だと分かりました。 あの木から自宅までは2kmほどあります。「私の家とは逆方向に走り去っていったのに……」。縁を感じずにはいられませんでした。 すぐに雨や汚れを拭いて動物病院に連れていきました。ぬれていたため小さく見えましたが、生まれて3、4年ほどのオスの猫であることが分かったそうです。 「めばる」と名付け、家で飼うことにしました。 家では何匹も猫を飼っていましたが、めばるは「手がかかる猫」。壁や柱で爪を研いでしまい、ぼろぼろだったそうです。 めばるには優しい一面もありました。MEBARUさんの子どもが泣くとどこからでも走って駆けつけてくれたり、ほかの猫同士でけんかしていると割って入って止めてくれたりーー。 22年間一緒に暮らしためばるは、2017年に旅立ちました。 最後の1年は「よぼよぼのおじいちゃん」となっていて、MEBARUさんは愛猫の姿を残しておきたいと感じていたといいます。
「めばるそのものは作っていない」けれど
同じ頃、たまたま本屋さんで羊毛フェルトの存在を知り、「これなら本物の猫に近いものが作れそうだなとワクワクしました」といいます。 最初に作ったのは白黒の猫。技術が追いつかず模様を入れることはできませんでしたが、めばるの面影はありました。 以来、制作した猫は400匹を超えます。しかし、「めばるそのもの」は作っていないそうです。 「めばるを思いながら、めばるっぽい猫はたくさん作っていますが、私は小さいめばるがほしいわけではなくて、めばるはどんなだったかなと思いながら作品を作る時間が好きなのかもしれません」 「爪研ぎをしたり、周りの猫の面倒をみていたりするめばるの姿も残したい」と、イラストでも発信するようになりました。今後はイラストをまとめた本の出版をめざし、活動を続けていくといいます。