【札幌記念】エアグルーヴの連覇達成時は単勝オッズ「1.3倍」 夏の頂上決戦を「記録」で振り返る
単勝1.3倍で連覇のエアグルーヴと武豊騎手
牝馬の好走が印象に残る札幌記念だが、牡馬と牝馬とで馬券圏内の頭数を比べると、牝馬が23頭で牡馬が90頭と流石に牡馬が優勢だ。 しかし、3歳馬の勝ち星で見ると、牡馬(エアエミネム、サクラプレジデント、アドマイヤムーン)と牝馬(サンエイサンキュー、ハープスター、ソダシ)が互いに3勝をあげてイーブンとなっている。ハープスターはゴールドシップを撃破。ソダシはブラストワンピースらを退け、ラヴズオンリーユーと牝馬のワンツーを達成。ハープスターは単勝3.7倍、ソダシは3.8倍での勝利だった。 過去の勝ち馬を単勝オッズで見てみると、単勝1倍台~3倍台で札幌記念を制した例が16回。そのうち、半数の8回が武豊騎手によるものだった。勝ち馬を単勝オッズが低い順に並べると、3位が1996年のマーベラスサンデー(単勝1.5倍)、2位が1999年のセイウンスカイ(単勝1.4倍)、そして1位が1998年のエアグルーヴ(単勝1.3倍)となる。ちなみに、3位と1位の鞍上は武豊騎手、2位の鞍上は横山典弘騎手だった。 エアグルーヴはデビュー戦や初勝利が札幌競馬場だったように、札幌での活躍も多かった。古馬初戦となった1997年のマーメイドSを制すると、札幌に乗り込み札幌記念を完勝。この時は単勝1.8倍での勝利だった。皐月賞馬ジェニュインなど強豪牡馬を相手に快勝した姿にファンは心酔した。 翌年、宝塚記念3着から札幌記念連覇を目指したエアグルーヴをファンは単勝1.3倍に支持した。結果は2着サイレントハンターに3馬身差をつける圧勝。これが彼女にとって最後の白星となったが、その走りは今なお語り継がれている。 今年も少頭数ながら多彩なメンバーが揃った。後世に語り継がれるような名勝負が見られるか。秋の大舞台に向けたステップとしても注目だ。 ライタープロフィール 緒方きしん 競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。
緒方きしん