1秒差の大接戦を制した旭化成、ニューイヤー駅伝5年ぶりV奪回へ 2位の黒崎播磨も初の3位以内に好感触【九州実業団駅伝レビュー】
と5チームに分散した。優勝した旭化成以外では、安川電機と三菱重工が2人ずつ輩出した。しかし安川電機は3位と、10年ぶりにベストスリーに入ったのに対し、三菱重工は6位に終わった。 三菱重工は1区に井上大仁(31)、2区に山下一貴(27)と、マラソンで2時間5~6分台の記録を持つエース2人を投入。2区終了時で5位だったが、トップの旭化成から17秒差にとどめた。2区の山下は先頭集団をかなり引っ張る積極的な走りをしていた。 そして3区の吉岡が区間賞の快走で、黒崎播磨・細谷に1秒差でトップに浮上。4区のエマヌエルも連続区間賞で2位との差を6秒とした。 「吉岡は入社1年目の失敗(ニューイヤー駅伝6区区間14位)が尾を引いていましたが、練習の中で積極性が出てきて、チームを引っ張って行く自覚も現れ始めました。今回の結果は収穫です」と黒木純総監督。 だが5区の新人・守屋和希(22)が区間12位で、チームは5位に後退してしまった。 「守屋は関学大出身で(高いレベルの)駅伝経験が少なく、前に行かれたときに焦ってしまったのでしょう。練習では強いし、継続してできる選手なので、どこかできっかけをつかめば中心選手になれる」 今大会には出場しなかったが、林田洋翔(23)はニューイヤー駅伝3区で区間3位が2回ある。定方俊樹(32)も10月のシカゴ・マラソンで2時間08分22秒(8位)と、トップレベルを維持している。ニューイヤー駅伝は前回の5位以上も狙える戦力だ。 安川電機2区の鈴木は5人の先頭集団の中では4位に終わったが、1区でトップから24秒後れていたところから先頭まで追い上げた。そこで頑張った結果の区間賞だった。 「2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間00分49秒と、古賀(淳紫、28。今大会は5区区間4位)と並ぶチーム記録を出しました。5000mでも自己記録を更新しましたが、長い区間に自信を持って置ける選手に成長してくれた。夏も良い練習ができたので、九州大会は区間賞を期待して2区に送り出しました」と、就任2年目の中本健太郎監督(12年ロンドン五輪マラソン6位)。