縦読み漫画「Webtoon」には何が足りないのか? 読者の声から見えてきた創作性という課題
利用率は「ジャンプ+」を抑えてピッコマ、LINEマンガが上位
MMD研究所が公開した調査データによると、予備調査に参加した人のうち、コミックアプリなどのサービスを利用したことがある人は、全体の38.2%。 2022年の33.8%からは上がっているものの、50代・60代の参加者が全体の4割を占めていることを鑑みても、まだまだ向上の余地があると考えられる。 年代別のコミックアプリサービスの利用データでは、10代の61.3%を頂点に20代の52%、30代の51.3%、40代の40.6%と徐々に下がっていく。 利用したことがあるサービスについては、全体のデータでは1位のピッコマが40.7%、2位のLINEマンガが40.2%と拮抗。そこに、少年ジャンプ+が27.4%、めちゃコミックが24.8%と続いていく。 年代別のデータでは、10代~30代のランキングは全て1位がLINEマンガ、2位がピッコマ、3位が少年ジャンプ+という順位は変わらず。 40代~60代では、ピッコマ、LINEマンガ、めちゃコミックの順で、こちらも割合こそ違うものの、ランキングの順位は変わらなかった。
「マンガ大賞」でトップ20圏外になるWebtoon
こうした調査結果は、Webtoonヘビーユーザーである筆者の主観としては、矛盾するようだが意外性と納得感が共存するデータだった。 というのも、読者投票によって順位が決まる「次にくるマンガ大賞 2024」において、コミックス部門の大賞を獲ったのは『週刊少年ジャンプ』で連載中の『カグラバチ』、Webマンガ部門の大賞を獲ったのは「少年ジャンプ+」で連載中の『ふつうの軽音部』。 いずれもジャンプブランドの作品だった。 一方で、LINEマンガ内で1億PVを突破したことが明かされている『神血の救世主』は、「次にくるマンガ大賞 2024」にノミネートはしているものの最終的な結果ではトップ20にも入っていない。 もちろん、読者投票に参加するほど熱心な読者と、今回のアンケートに参加した層には乖離があったと考えられる。