親の介護が必要になったときのことを考えると資金面について不安です。「介護費用」を賢く抑える方法ってあるのでしょうか?
出典:公益財団法人 生命保険文化センター 2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査 ■介護度によって異なる負担額 「介護」と一言でいっても、部分的支援が必要であるものの比較的日常生活を自分で行うことができる「要支援」状態から、介護なしには日常生活が不可能な「要介護」まで7つの段階に区分されています。 判定により要介護度が認定され、それによって利用できる公的介護サービスとその支給限度額が決まります。自己負担分および超過分は自己負担となり、またショートステイの滞在費や食費などは介護保険の対象外であるため費用が発生します。 同調査によれば、8万3000円という月あたりの平均額も要支援1では4万1000円であるのに対し、要介護5では10万6000円の負担と介護度が上がると負担額も増えています。 図表2
出典:公益財団法人 生命保険文化センター 2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査 ■所得によって異なる負担割合 介護保険サービスを利用した場合、介護事業者に支払われる費用のうち、利用者が負担する自己負担割合は、1割から3割と所得等の条件によって異なります。基本は1割ですが、所得が多い方(現役並みの所得の方)は、2割、3割と負担割合が上がることで、同じ介護サービスを受けたとしても負担額が増える仕組みになっています。
親の介護が不安という方へ
子育てや仕事に忙しい子世代にとって、親の介護は心配であり、不安と感じることでしょう。介護期間について、「いつからいつまで」の予測がつかないことも不安要因のひとつと考えられます。また、期間が長引くとその分費用も膨れ上がることをふまえると「費用面」で不安を感じる方は多いようです。 親が介護に必要な資金を備えていればよいのですが、財産額については、子世代から親に「聞けない」「話したことがない」という方が圧倒的に多いのが現状です。 元気なときには話しにくい内容ですが、親子で話すことで、介護資金への不安が子世代の無用な心配である場合もありますし、親世代に十分な資金や備えがない場合には、子世代が費用を負担するための対策をあらかじめ考える機会にもなります。兄弟姉妹がいる場合には、それぞれの状況をふまえて分担方法なども考えておきたいものです。 漠然と不安に感じるよりも、現状を把握し明確化することで、対策を考え、少しでも不安を軽くしてみましょう。合わせて、親がどのような介護(在宅か施設かなど)を希望するのか把握しておくことも大切です。