同窓会に毎回出席の高齢者は脳が老化? 90歳現役医師「落ち目同士で群れない」が若さの秘訣
JAGES(Japan Gerontological Evaluation Study、日本老年学的評価研究)プロジェクトの研究調査で、2003年10月に愛知県の65歳以上の歩行・入浴・排泄が自立している高齢者1万2085人を対象として、同居以外の他者との交流の頻度別に、約10年間の要介護状態への移行と認知症の発症、死亡状況を追跡した。 毎日頻繁に交流がある人を1とした場合の、交流頻度別の要介護2以上の認定、認知症の発症、死亡のリスクをみると、月1~週1回未満の頻度では、要介護2以上の認定となるリスクが1・4倍となり、認知症を発症するリスクが1・39倍になる。さらに、月1回未満の頻度では、早期死亡が1・34倍みられやすいことが報告されている(*)。 ■常に新しいことにチャレンジすることをモットー 私自身、常に新しいことにチャレンジすることをモットーとして生きてきた。そのためには同じ穴のムジナと付き合っていてはダメで、異文化と交流し、目からウロコが落ちる経験が必要なのだ。なぜなら、いわゆる「専門家」と称する人種には、必ずといっていいほど「盲点」があるから。盲点とは、いってみれば「目に張り付いたウロコ」のようなものだ。異文化と接して目のウロコがはがれ落ちて初めて、盲点に気づく。そして新たな発想が生まれ、新しいことにチャレンジする心構えができるのだ。 実際に私の研究生活を振り返ってみても、そのことは証明されている。私はカルシウム代謝の研究をしてきたなかで、ウナギカルシトニンというホルモンの発見がきっかけとなり、それを骨粗鬆症の治療薬として活用する道を開いた。きっかけは、東大老年病学教室に入って2年目にノースカロライナ大学に留学したことだった。 ちょうどその時期に同大学でサイロカルシトニンという新たなホルモンがネズミの甲状腺から見つかり、のちにカナダで同じホルモンがサケに存在することが発見され、カルシトニンと呼ばれるようになった。このホルモンに大変興味を持った私は、帰国後、企業と共同研究を始めたが、サケにあるならほかの魚にもあるのではと考え、湯島の行きつけの天ぷら屋さんに頼んでウナギ、コイ、アユ、ヒラメなどを魚河岸で買ってきてもらった。