血糖値を上げずに居酒屋を楽しむには!?
居酒屋に行く前の準備?
居酒屋に行って好きなものばかり頼んでしまうと、やはり血糖値の上昇が気になりますよね。そこで、居酒屋を楽しみつつも、なるべく血糖値を上げないためにはどうしたらいいのか、居酒屋に行く前に注意することについて考えたいと思います。
準備はやりすぎ厳禁
当然、食事開始時の血糖値は良いに越したことはありません。居酒屋に行くときも日常の目標である空腹時血糖値100~130㎎/dL未満にはしておきたいところです。また、居酒屋に行くからには、料理とお酒を楽しむためにもおなかはすかせて行きたいですね。そのためには、居酒屋に行く前の食事や運動に気を付ける必要がありますが、注意点もあります。それは「やりすぎないでください」ということです。 ほとんどの場合、居酒屋には夕食時に行くと思います。そのために、朝食や昼食を抜いてしまうと低血糖を起こしたり、かえって夕食後の血糖値が上がりやすくなったりします。良い状態で居酒屋でのスタートを迎えるためには、朝と昼は適度な食事(目標エネルギー程度、控えるならわずかに)をとり、特に昼食は居酒屋に行く6時間前には食べ終えておくとよいでしょう。せっかく食事、お酒を楽しみに行くのですから「よい空腹加減」も必要です。
飲酒後の低血糖にも注意
運動はどうでしょうか? これも「よし、居酒屋に備えて!」と意気込んで激しい運動をして準備すると、食前に低血糖を起こしかねません。また、長時間の激しい運動をした場合は、筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられていたブドウ糖が消費されてしまいます。そうなると運動後に食事をとっても血糖値はなかなか上がらなくなってしまいます。 その結果、運動後10時間以上も経過した睡眠中や翌日に低血糖が起きることがあります。さらに、居酒屋ではアルコールを飲みますよね。アルコールは肝臓での糖新生を抑制したり、インスリンの効きをよくしたりするので、飲酒後に低血糖が起こり、遷延することがあります。 適量の飲酒であればさほど問題ないとはされていますが、運動と飲酒が重なるとリスクも増加するので注意しましょう。加えて、アルコールで酔っていると、低血糖症状を認識しにくくなりさらに危険です。居酒屋に行く前の運動は、昼食後の血糖上昇を抑える程度にしておきましょう。 ぜひ、過剰に準備しすぎず、適切な準備をして、居酒屋で大いに旬の料理やお酒を楽しんでくださいね 釣谷大輔(つりや だいすけ) 浜松医科大学第二内科 内分泌代謝内科 *『月刊糖尿病ライフさかえ 2022年11月号』「居酒屋メニューだって楽しみたい!」より