平成の将棋史(下)戦術進化とAI 「藤井フィーバー」の衝撃
無敗で29連勝、藤井聡太さん衝撃デビュー
平成最後に登場したのは、平成28年に14歳2か月で四段昇段(プロ入り)を決めた藤井聡太七段でした。 加藤一二三九段の最年少棋士記録を62年ぶりに更新し、史上5人目の中学生棋士ということもあり、デビュー前からマスコミが対局を追いかける注目ぶりでした。しかしその予想をはるかに超える「デビューから無敗のまま歴代最多連勝記録29連勝」を達成。連勝が続くにつれ、「藤井フィーバー」ともいえる報道が続きました。その後も高い勝率は続き、平成30(2018)年には、全棋士参加棋戦で初優勝。七段昇段の最年少記録も更新しました(15歳9か月)。 平成の時代のうちのタイトル戦登場はかないませんでしたが、古作さんは「100局以上、公式戦を指して通算勝率が8割を超えている棋士が、タイトル戦線に絡まないことは考えにくい。早ければ新年度にタイトル戦に登場してもおかしくない」とみます。 世代が離れていた23歳差の「中原×羽生」でのタイトル戦はありませんでした。それを上回る、32歳離れた「羽生×藤井(聡)」対決は実現するのか。「『羽生×藤井』のタイトル戦は分からないですが、個人的にはやはり見たいですよね」。この古作さんのコメントは、将棋ファンの期待を代弁しているのではないでしょうか。