【エリザベス女王杯】シンリョクカ 血統的な魅力十分 父に引き出された母系のスピードで23年のリベンジへ
「エリザベス女王杯・G1」(10日、京都) 競走中止となった福島記念の印象が強過ぎて、復帰戦の新潟記念ではひとえに無事だけを願っていたシンリョクカ。今思えば、何とも失礼なことをしたもの。私の心配など空想でしかなく、骨折明けでもきっちりと結果を出したメンタルの強さに敬服した次第です。 父は16年に菊花賞&有馬記念を制したサトノダイヤモンド。当時、私は栗東に在籍していたが、今まで目にしてきた馬の中でも“馬体の素晴らしさ”はNo.1と言ってもいい。骨格がしっかりとしている上、筋肉のパーツもハッキリ。鮮やかな鹿毛&額のダイヤモンドが輝かしく、まるでブロンズ像のようだった。 それゆえ、種牡馬としても大成功すると思っていたが、現段階では思いのほか苦戦している。産駒のトップ3はサトノグランツ、シンリョクカ、スズハローム。それぞれカテゴリーが異なる点から察すれば“母系の良さを引き出す”タイプの種牡馬なのかもしれない。 母レイカーラは14年マイルCSを制したダノンシャークの半妹。現役時代は芝8~9Fで5勝を挙げた。母から受け継いだスピードは、リバティアイランドの2着に好走した22年阪神JFで証明済み。また、昨年の当レース(9着)は勝ち馬からわずか0秒5差で、父のスタミナもしっかりと受け継いでいる。成長力を加味すれば、今年はVまで期待できそうだ。