「クルルッ」屋根裏から鳴き声と足音 蓋をあけてキャットフードを食べる アライグマ被害ついに住宅にも
■屋根裏から鳴き声 大量の糞も アライグマは、都市部の住宅地でも度々目撃されている。 福岡県小郡市の男性(70代)は、住宅の屋根裏から聞こえてくる鳴き声や足音に悩まされてきた。 男性(70代) 「こちらのエアコンがある辺りから向こうのほうに向かって、多分親子3匹くらいだと思うんですけど、鳴き声がしたりとか、走るバタバタバタって音が聞こえるんですよ」 その正体が分かったのは今年5月。初めてアライグマの姿を確認した。 男性は、住宅の1階部分をテナントとして歯科医院に貸しているが、その従業員が敷地内の木に登っているアライグマを発見し写真を撮ったという。 男性 「最初聞いた時には、本当にアライグマかと思いました。画像を見せられて『おっアライグマだ』と。まさか自分のところで見つかるとは思いませんでした」 1週間後、アライグマが見つかった木の近くにワナを設置しすぐに1頭を捕獲。 しかし、その後しばらくの間も、天井裏からは「クルルッ」というアライグマの鳴き声や足音が聞こえていたという。 男性 「1階が医療機関ですから、天井裏で糞をされたりとか、逃げられたりとかキャーキャー鳴かれると、患者がいるわけですから後々困るのでやっぱり何とかしてほしい」 最近、天井板をめくってみたところ、アライグマの姿はなかった。 代わりに見つけたのは大量の糞だ。強烈な臭いを放っているため、男性は今、張り替えを検討している。 ■農作物被害 約4億5600万円 農作物への被害も深刻だ。 農水省によると、2022年度の全国の被害額は、約4億5600万円にのぼっている。 福岡県だけでも2022年度におよそ2500万円に上り、6年前の3倍以上に増加した。 なぜここまで被害が急増しているのか。原因のひとつはその繁殖力の高さだ。 ■100頭→6年後に1000頭に 繁殖力が高い アライグマのメスは満1歳から出産が可能で、平均3頭~4頭の子供を産むとされる。最初に100頭いたとすると、6年後にはおよそ1000頭に。12年後には当初の100倍を超える1万頭以上に増えるなど、爆発的に繁殖すると言われている。専門家は、被害は農作物や住宅だけにとどまらないと指摘する。