「試合は1週間ぐらいやってくれないかな(笑)」 スロースターター・青木香奈子が“合格”へナイスカムバック
<JLPGA最終プロテスト初日◇29日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6602ヤード・パー72> プロテスト合格直後…19歳の渋野日向子さんが初々しい【写真】 「スロースターターなので、きょうは1オーバー、2オーバーぐらいでもいいかなと思っていました」 6度目の挑戦で初の最終プロテスト進出を果たした青木香奈子は、前半で3オーバーというラウンドにもそれほどの焦りは感じていなかった。「いつも初日は緊張しちゃって、遅すぎるぐらいのスロースターター。試合は1週間ぐらいやってくれないかなと思っています(笑)」。結果的には後半に巻き返し「72」のラウンド。イーブンパーの10位タイと想定以上の好スタートとなっただけに、ホールアウト後は明るい笑顔でこう話した。 もちろん、最終プロテストの緊張感はあった。「周りは当然みんな上手いので、私も頑張らなきゃと謎に自分を追い込んでしまいました」。ショットが乱れる中でスコアメークを支えたのはパッティング。16番は1.5メートル、18番は2メートルのボギーパットを沈めて、ダブルボギーを回避した。「きょうは2メートル以内を外していないと思います。それで前半『39』はちょっと恥ずかしいんですけど」。グリーンに乗せれば、パッティングはどうにかなる。後半は確実にグリーンセンターを狙う作戦で3バーディを重ねた。 この日は正午時点で毎秒5.2メートルの強風が受験生たちを苦しめた。昨年までフェニックスカントリークラブ(宮崎)で研修生をしていた青木なら、そんな風も苦にしないかと思いきや「海っぺりという条件は同じでコースの雰囲気も似ているところがあるんですけど、宮崎はあんまり風が吹かないんですよ」。それでも、最終プロテストに向けての大洗での練習ラウンドで強風を2度経験。「きょうよりも強く、帽子もかぶっていられないぐらいに吹いていて、方向は同じだったので、それがすごくいい練習になりました」と強風の中で好プレーができた秘密を明かした。 初日のスタートホールだった10番は「ちょっと構えづらくて、きょうも曲げちゃったので、できればアウトスタートがいいなと思っています」。2日目以降はスコア順のペアリングとなるため、このまま上位でプレーを続けていれば、最終日まで希望のアウトスタートでプレーできる。インスタグラムのフォロワー数4万人とすでにツアープロ顔負けの人気者は、鬼門の初日を突破し、このまま合格への階段を一気に駆け上がる。(文・田中宏治)