sohyun parkによるPixabayからの画像

　連載:幸せな結婚のバランスシート（8） 　夫婦間で未来のバランスシートを作成することは、会社の中期計画と同じように、目指す未来を具体的に描き、実現させていくための第一歩です。 　しかしそれを絵に描いた餅で終わらせないためには、ビジョンを行動計画に落とし込み、実行し続ける仕組みが欠かせません。 　本コラムでは、このプロセスを分かりやすく解説し、夫婦関係を豊かにするための実践方法を提案します。 ■　未来のバランスシートの意味 　未来のバランスシートを作成する意義は、これまでの生活の延長線上に夫婦関係がどうなっていきそうかを予想するにとどまりません。 　それぞれが自分たちの理想やありたい姿を持ち合って共有し、それに向けて互いがどう振舞っていくべきかを描き出すためのツールです。 　このプロセスでは、以下のような問いを投げかけていきます。 　• どのような人生を送りたいか？　 • それを実現させていく中で、どのような変化が想定されるか？　 • 自分たちの価値観において何が最も大切か？　 • 長期的に、どんな夫婦関係でありたいか？　 　これらの問いに基づいて未来のビジョンを形にすることで、お互いが目指すべき方向性を共有できるようになります。 　これは企業の中期計画と同様、目先の制約からいったん離れ、可能性を広げるものです。 　例えば、生活の延長線上から脱し、未来を描く際の具体例として、以下のようなことを考えても良いかもしれません。 　• 移住計画の検討:現在の住まいに縛られず、夫婦の価値観に合う自然豊かな地域や、利便性の高い都市への移住を目指す。 　• キャリアの再設計:どちらかが脱サラをして新しい事業を立ち上げる、またはパートナーの夢を叶えるために共にリスキリングを進める。 　• 子供の独立後の生活:子供が家を離れた後に、夫婦で世界一周旅行を計画する、新しい趣味に没頭するなど、親としての役割を超えた新たなステージを描く。 　また、どの程度先の未来を見据えるかは、夫婦のライフステージを踏まえながら考えることが大切です。 　例えば、脱サラ、子供の独立、定年退職といったライフイベントを想定し、それらが起こった後の夫婦の姿を具体的にイメージしてみてください。 　なお、これを支えるためには、役立つツールやサービスを活用するのも有効です。 　• ライフプランニングシート:夫婦それぞれが重要なライフイベントや目標を書き出し、時間軸に沿って可視化します。 　• ファイナンシャルプランナーへの相談:経済的な側面を具体化し、目標達成のための資金計画を作成します。 　• デジタルツールの活用:プロジェクト管理ツールやカレンダーアプリを使い、予定や目標を管理しやすくします。 　• 価値観共有のワークショップ:夫婦で価値観やビジョンを共有するためのセッションやワークショップに参加し、共通理解を深めます。 　これにより、未来のバランスシートがより現実的でありながらも希望に満ちたものになります。