読者の悩みに真剣に向き合う小林まさるさん

91才の料理研究家・小林まさるさんが、読者のお悩みに真摯に答える人生相談企画。第4回は、40代の読者から届いた“食”にまつわる相談だ。「母親の困った食生活」「食べ盛りの子どもの食事」の悩みに、90代の料理研究家・まさるさんが出した答えとは？　読んですっきり、心は晴々！ 【画像】小林まさるさんが思いついたレシピなどを書き留めているノート、かにかまぼこと紫玉ねぎのサラダ＜料理写真＞

答えてくれた人

料理研究家・小林まさるさん 昭和8年、樺太（現在はサハリン）生まれ。70才から長男の嫁で料理研究家の小林まさみさんのアシスタントを始め、料理研究家として活躍。著書『人生は、棚からぼたもち！　86歳・料理研究家の老後を楽しく味わう30のコツ』（東洋経済新報社）ほか、小林まさみさんの著書『血糖値を下げる1か月献立』（Gakken）では血糖値を下げる企画にチャレンジ。88才でYouTubeを始めるなど、新たな挑戦を続けるシニア世代の星。小林まさる88チャンネル　https://www.youtube.com/@user-tk9ur8bu8s/featured

お悩み1「70代の母親の食生活が気になります」

　現在70代半ばの母と二人で生活しておりますが、母の食生活が気になっています。 　今年は父の七回忌を終え、まずは一区切り。父の他界後、健康について改めて考えるようになり、これは父からの最後の教えのような気がしています。 　しかし、母は健康とはかけ離れた加工食品を好んで食べています。何度か優しく注意したのですが、母のストレスになるかとも思い、強くは言えません。 　私が週末にまとめて買い物に行き、体に悪そうなものは買わないようにしています。それでも、母は平日に自分で好きなものを買って食べてしまいます。 　このままの食生活でよいものか…。まさるさんは、ジャンクフードなど、体にあまりいいとはいえないものを食べることはありますか？ （りゅう・49才／男性）

まさるさんの回答「ダメ出しはせず、足りないものを補って！」

　りゅうさんはお母さん想いの息子さんだ。健康にいいものを食べて欲しいけど、言いすぎるとお母さんのストレスになると気にかけていて、たいしたもんだ。 　だけど、お母さんの気持ちもよくわかるぞ。俺も体に良くないとわかっていても、大好物のラーメンライス、甘いものをつい…。息子やまさみちゃん（義理嫁。料理研究家の小林まさみさん）に「また血糖値が上がるよ！」ってよく言われたもんだ（笑い）。 「あれ食べるな、これもダメって、ダメ出しばかりだとうんざりしちゃうもんだ」 　いまお母さんの健康状態が良好なんだとしたら、「お母さん、今日は何食べた？」と聞いてみて、足りていないものを食事に加えてみるのはどうだろう？ 　肉ばかり食べていたら、魚料理も作ってみる。パンやお菓子ばかり食べていたら、翌朝は野菜をたっぷり使ったスープを作ってみるとか。おやつをナッツやチーズに置き換えるのもおすすめだ。 　俺は炭水化物が大好物で、70代までは大きなご飯茶碗で2膳食べるのが当たり前だった。でも80代で糖尿病予備軍と診断されてから、まさみちゃんが血糖値を上げないための食事を真剣に考えてくれて、息子も一緒になって小林家の食事改革を行った。俺も「よし、頑張るか！」って、食材や食べ方を改めて食生活の改善に真面目に取り組むようになったんだ。 　家族が一緒に取り組んでくれたことで、俺もモチベーションがアップした。体に良い食生活を送れば、しっかり結果がついてくる。おかげで今はこの通り、元気一杯だ。 　りゅうさんもお母さんの食生活を一緒に楽しみながら、体にいい食事をさりげなくサポートできたらいいよな。