【Love me tender】威風堂々 ラグジュリアスでエレガントなフルサイズSUV「キャデラック エスカレード スポーツ25thアニバーサリーエディション」との夢の5日間
生前、徳大寺有恒巨匠は、「キャディラックの伝統はエレガンスと趣味の良さである」と言った。GMジャパンの協力の下、我々、Auto Bild Japan編集部は、今回、最新の「キャデラック エスカレード」に乗ってエレガンスを見つける旅に出た。
毎年、二月に行われている、JAIA(日本自動車輸入組合)が開催している「輸入車試乗会」で、試乗車リストに名前を見つけたら、選択する一台がキャデラック エスカレードで、キャデラック大好きな人と一緒に乗っては、至福の時を満喫している。冬の相模湾を見ながら、西湘バイパスを文字通りクルーズしていると、豊かな時間という言葉が染み出てくるような思い出が心に残る。だがJAIAの持ち時間は短く、かぼちゃの馬車の魔法が解けるように、あっという間に返却時間は終わり、後ろ髪をひかれるようにキーを係の方に返していたものだった
いつかゆっくりとエスカレードに乗ってみたいとわがままを言っていたら、GMジャパンの粋な取り計らいで、なんと5日間も貸していただけることになった。しかもエスカレードの25周年を記念して発表された、日本市場限定15台の「エスカレード スポーツ25thアニバーサリーエディション」のおろしたての新車だという。我々のような者に、キャデラックの新車を5日も預けていただけるとは、GMジャパンの豪胆かつ太っ腹さには頭が下がる思いだが、千載一遇のチャンスだし、断ることなどもちろん念頭にないので、りんかい線に乗ってGMジャパンの入っているビルまで、うやうやしく取りに行くことにした。
「キャデラック エスカレード」を見た人は必ず「大きい」、「でかい」、「すごいなぁ」と口にする。「すごいなぁ」は正しいが、「大きい」は日本国内で見るからであって、生まれ故郷のアメリカで見るエスカレードはなかなか適正サイズ(よりはやや大きいが)だと思うし、このくらいでああだこうだ言っては、キャデラックの生みの親のヘンリー マーティン リーランドに怒られるだろう。生まれた環境が違うのだから。
もちろん全幅2065mm、全長5400mmという絶対的なサイズは大きいかもしれないが、借りた翌日にはすっかり慣れて、あまり気にならなくなってくる。これはキャデラックが生来持っている、誰にでも使えるわかりやすい操作性などに起因することでもあるとは思うが、とにかく日本でも都市部を離れれば、狭い路地裏や極小の駐車スペースに入れる時以外は、それほど心配したり恐れたりすることは必要ない、というのが今回一番感じたことであった。