【政治解説】「悲惨なことになっている」党内から公然と“岸田交代”の声 “ポスト岸田”石破氏の“壁”とは 2024年6月 最新世論調査解説
秋の自民党総裁選 キーマンは菅前首相
【菅原】 秋の総裁選をにらみ、何がポイントになってくると思いますか? 【竹内】 これはズバリ、菅氏ではないかと私は思います。今回、いち早く“岸田交代”に言及したわけですが、これは大物議員としては異例の早さだと思います。菅氏の狙いとしては、慎重に状況を見極めてから発言するというよりは、「いち早く行動をおこして、主導権を確保しようと“仕掛けた”」ということだと思います。 【菅原】 人よりも自分が先に動くことによって、菅氏への求心力も働くし、そもそも菅氏は「一定数の固まりを形成できる」と目されてるわけですから、余計、その効果は高いかもしれないですね。 【竹内】 党内にもそういう見方が多いんです。あるベテラン議員は、「政局のキーマンとして菅さんの存在感が増している」と言っていて、若手議員も「菅さんの影響力が、これからさらに高まる予感がする」と言ってます。 【菅原】 竹内デスクは菅氏の担当も長かったですけれど、やはり“勝負師”のような印象ですか。 【竹内】 菅氏は、都市部、横浜の選出の議員だからということもあってか、世論に敏感のように見えます。世の中の人が、「どういうことを求めているか」ということを汲み取ることが、上手な議員であると。もう一つは、今回、先陣を切って岸田首相のことを批判したこともそうなんですが、慎重派というよりは、勝負に出るときには一気に出る、というところが菅氏の特徴だと思います。
「新しい“顔”を選ぶだけ」では国民に見透かされる
【菅原】 菅氏は、同じ神奈川ということで小泉進次郎氏を後押ししてきましたけれど、総裁選では誰を推すのかというのも注目ですね。 【竹内】 そうですね。菅氏が誰を推すかというのは、やはり総裁選の勝敗を分けるポイントになると思います。ただ、やはり自民党は、「ただ新しい“顔”を選ぶ」だけになってしまってはダメだと思います。 【菅原】 「表紙を変えるだけではダメだ」ということですね。 【竹内】 まさにそうです。今の自民党の低迷は、いわゆる統一教会との関係が「おかしいのでは」と指摘されたことから始まり、派閥の“政治とカネの問題”が決定的な要因となりました。さらに、こうした問題に「きちんと対応している」と国民に受け止められていないからこそ、いまも回復できないのだと思います。特定の団体との関係や政治資金の問題。それらを「どう改善するか」ということに答えを出すことが求められています。それをせずに、「新しい総裁を選んで、目先を変えればやり過ごせる」ということでは、国民から見透かされて、より厳しい審判が下されることになりかねないと思います。 (日本テレビ政治部デスク 竹内真 解説委員 菅原薫) ■NNN・読売新聞世論調査 (6月21日から23日 全国有権者に電話調査) 固定電話 422人回答率59% 携帯電話 601人回答率38% 合計1023人が回答