米競馬の祭典のひとつ「BCマイル」参戦の日本馬は“低評価”の伏兵扱い。付け入る隙は?【ブリーダーズカップ/後編】
皐月賞馬ジオグリフが参戦
<前編から続く> 【BCマイル】 JRAの馬券発売競走としてはラストとなる「マイル」(芝1600m)。英国ブックメーカーの大手、ウィリアムヒル社の見立てによると、ここは欧米の強豪同士の鍔迫り合いのようだ。同社のオッズを見ると日本から参戦する2騎、皐月賞馬のジオグリフ(牡5歳/美浦・木村哲也厩舎)と、5月のヴィクリアマイル(GⅠ)を14番人気(オッズ208.6倍)という低評価を覆して制したテンハッピーローズ(牝6歳/栗東・高柳大輔厩舎)はあくまで伏兵という扱いとなっている。 【動画】BCマイル、BCフィリー&メアターフの参考レース ウィリアムヒル社が示したオッズは以下の通りだ(10月29日現在。左端の数字は人気)。 第11競走「BCマイル」 1. ノータブルスピーチ(英) 4.33倍 1. ラマチュエル(仏) 4.33倍 3. ポータフォーチュナ(愛) 5.00倍 ―――――――――――――――――― 7. ジオグリフ(日) 17.00倍 10. テンハッピーローズ(日) 34.00倍 1番人気は同オッズで2頭が挙げられている。ノータブルスピーチ(牡3歳/英・C.アップルビー厩舎)は今年の英2000ギニー、サセックスステークス(いずれもマイルG1)の勝ち馬で、前記ではシティオブトロイを破り、後者では苦しい位置取りから鋭い末脚で突き抜けて古馬を撃破したレース内容が高い評価を受けている。 そして、オーナーがゴドルフィン、調教師がチャーリー・アップルビー、騎手がウィリアム・ビュイックという”トリオ”がBCマイルを3連勝中という実績もノータブルスピーチの支持を押し上げる材料となっており、4連覇の快挙が成し遂げられるか否かも大きな注目点だ。 前走の仏G1フォレ賞(芝1400m)を3馬身差で圧勝して急激に評価を上げているのがラマチュエル(牝3歳/仏・C.ヘッド厩舎)だ。これまではG1で2着1回、3着2回と詰めの甘さが指摘されていたが、夏の休養を経て臨んだフォレ賞ではそれまでのイメージを一変させる切れ味を見せた。ただし本馬の勝ち鞍は1200~1400mに集中しており、距離適性の問題は少なからず残りそうだ。 ポータフォーチュナ(牝3歳/愛・D.オブライエン厩舎)はマイルG1を3連勝中の上昇株。牝馬離れした力強い末脚はさすが欧州のG1ホースという素晴らしさだが、3連勝のいずれもが1分37秒~1分40秒台の決着というのは、今年と同じデルマー競馬場で行なわれた昨年の本レースが1分32秒45の高速決着となっているのは気になる部分。天気次第、馬場状態次第ではあるが、その点は注視しておきたい。
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