「児童手当の所得制限廃」ほか、4つの拡充ポイントとは? 【子育て家庭を応援する「児童手当」が大きく変更】
所得制限の撤廃など4点が変更に
2024年10月分から、いよいよ児童手当が拡充されます。 大きな変更点もあり、これまで支給対象でなかった家庭でも受け取れる場合があるので、しっかり確認しておきましょう。 変更は「所得制限を撤廃」「支給期間を高校生年代まで延長」「第3子以降の支給額を3万円に増額」「支払回数を偶数月の年6回に増加」の4点です。 まず一つ目の「所得制限を撤廃」から。これまでは、子ども2人と年収103万円以下の配偶者で、主たる生計者の年収が960万円以上の場合などに受給制限がありましたが、今後は所得に関わらず全額が支給されます。 次に「支給期間を高校生年代まで延長」では、18歳の誕生日以後の最初の3月31日までが支給対象に。 「第3子以降の支給額を3万円に増額」は、高校生年代までの第3子は3万円支給されるのに加え、一人目を高校生年代までとカウントしていたこれまでの扱いを見直し、親の経済的負担があるなら22歳年度末までの子を一人目と数えることとなりました。この変更によって3人目扱いになる子が増えるので、こちらも大きな拡充と言えるでしょう。 今回の変更によって、これまで対象でなかった家庭が支給を受けるには市区町村への申請が必要になります。 なお、申請し忘れていたという人も大丈夫。2025年3月31日までに行えば、2024年10月分からの児童手当が支給されます。
出産・子育ては社会全体で支援しなくてはいけない課題
最後の「支払回数を偶数月の年6回に増加」については、これまで4か月分を年3回という支給だったのが、2か月分ずつの支給になるので、家計の管理もしやすくなりますね。 政府は少子化対策と子育て支援の目的で総額3.6兆円規模に及ぶ「こども・子育て支援加速化プラン」をとりまとめ、うち1兆円を「子ども・子育て支援金」に充て、児童手当をはじめとする給付を行うとしています。 その財源は、公的医療保険料と合わせて全世代で負担することになっており、平均で月額500円程度の見込みです。 負担を取り上げた報道がされた折に「なぜ子がいない世帯も負担するのか」等の声も上がりましたが、日本の社会保障システムや経済成長を維持するためには人口減少を食い止める必要があります。 それは決して「特定の人だけが得する」話ではないのです。若者世代も、子育て世代も、そして年金世代にとっても、自分事としてとらえ、協力していく時ではないでしょうか。 ──── 松崎のり子 Noriko Matsuzaki 消費経済ジャーナリスト 消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。