東京の医療体制が“赤色”に 専門家が口にした「ほぼ確定的な未来」
今週の新規陽性者は3380人だったが、そのうち無症状者は752人(22.2%)と高い水準のまま推移している。大曲氏は、重症化リスクの高い高齢者らへの家庭内感染を防ぐには「家庭外で活動する家族が感染しないことが最も重要。軽症や無症状であっても感染リスクがあることに留意する必要がある」と指摘した。 「新規陽性者における接触歴等不明者」数(7日間平均)は293.1人に増加(前週232.1人)と、これも最大値を更新した。増加比は前週の93.1%から126.3%に上昇。再び100%を超えた。20代から60代では接触歴等不明者の割合が50%を超えており「活発な社会活動状況を反映し、感染経路が不明になっている可能性がある」(大曲氏)とみる。
入院患者は一時2000人を突破
医療提供体制についての評価は、7月から現在の7指標によるモニタリングが始まって以降、初めて最も警戒度の高い「体制がひっ迫していると思われる」に引き上げられた。東京都医師会の猪口(いのくち)正孝副会長は「入院患者の引き続く増加傾向に伴い、通常医療との両立が困難な状況となった」と厳しい現状を語った。 PCRなど「検査の陽性率」(7日間平均)は6.1%から6.7%に上昇し、11月後半から6%台の高い水準で推移している。検査人数(同)は前週の約6509人から約7049人に増加。「検査数は増えているが、陽性率はなかなか減らない状況」だ。 「入院患者数」については、前週の1820人から1960人に増えた。今週は一時2000人を超え「非常に高い水準まで増加し、医療提供体制がひっ迫している」(猪口氏)。 「重症患者数」は、前週の59人から69人に増加した。都では重症者を「人工呼吸器かエクモ(人工肺装置)を使用している患者」として、厚生労働省と違う定義で集計している。今週新たに人工呼吸器を装着した患者は40人(先週は31人)で、離脱したのは19人(同34 人)、使用中に3人が死亡した(同6人)。 今週報告された死亡者数は21人(前週は28人)で、そのうち70代以上が16人を占めた。