地域最大手のこんにゃく製造業者(株)オーカワほか1社(奈良)が破産開始決定
(株)オーカワ(吉野郡下市町)と、関連の大川商店(株)(同郡下市町)は9月12日、奈良地裁へ破産を申請し9月17日、破産開始決定を受けた。 破産管財人には北條正崇弁護士(やすらぎ法律事務所、奈良市高天市町11)が選任された。 負債は、オーカワが44億965万円、大川商店が24億1311万円で、2社合計68億2276万円。 オーカワは、1964年4月に創業し、こんにゃくの製造販売を手掛けていた。大手スーパー等への拡販に取り組み、ゴマ豆腐やところてんなど扱い品を増やすことで事業規模を拡大させ、2016年4月期には売上高約44億5000万円をあげていた。しかし、近年は同業者間での低価格競争もあり年間売上高は40億円を割り込む水準となり、業績は頭打ちの状態が続いていた。 2020年4月期には一旦閉鎖していた中部圏の営業所を再開し、2021年4月期には大阪営業所も開設するなどして営業強化を図り、2023年4月期にはパッケージのリニューアル等にも着手したものの、思うように業績は改善しなかった。また、原材料価格や人件費の高まりから、採算面でも厳しい運営を強いられていた。 こうしたなか、商品「匠の生芋しらたき」において、一部に溶解が見受けられ、腐敗臭が確認されたとして自主回収および返金を余儀なくされる事態が発生。8月1日より対応開始となっていたが、事業継続の見通しが立たず、8月9日に事業を停止していた。 大川商店はオーカワに対してこんにゃく芋等の原材料を供給していたが、同社に連鎖した。 ※(株)オーカワ(TSR企業コード:620058161、法人番号:5150001015985、吉野郡下市町栃本1-1、設立1985(昭和60)年7月、資本金2500万円) 大川商店(株)(TSR企業コード:622124595、法人番号:6150001018054、同郡下市町伃邑2212、設立2012(平成24)年11月、資本金1000万円)