なぜ横浜DeNAは中日との”セ最弱決戦”に敗れ泥沼9連敗を喫したのか…「4球で5失点」の悲劇に見え隠れした敗戦心理
ソト、オースティンの復帰効果が打線全体に波及していない。ただ一人、光っていたルーキーの牧も5番に入ってからは空回りしている。三浦監督は「いろいろやっているんですが、なかなか結果につながらない。違うことを考えてやっていくだけです」と苦悩を吐露した。 我慢か、大幅な打線変更か…その決断も難しい。 長いシーズンを“マクロ”で捉えると最終順位に戦力差は露骨に反映される。だが、1試合、1試合の“ミクロ”で見ると戦力差ではなくメンタル、戦術が勝敗を左右する心理ゲームである。だから亡くなった名将、野村克也氏は「弱者の兵法」を説いた。戦力差は埋められなくとも、目の前の試合は、頭を使えば勝てるとの哲学と理論である。 2回にビシエドの打球が右足に当たった入江は、何食わぬ顔でマウンドに戻り、3回までは打者を9人で抑えた。三浦監督が「3回まで力のあるボールを投げていた。どう最少失点に食い止められるかだけ」と評価する素材である。だが、ちょっとした心理戦、頭脳戦が明暗を分けてしまったのである。 泥沼の連敗地獄を抜け出すために必要なのは、そういうチームメンタルの修正だろう。三浦監督は「勝つためにどうするか、だけだと思う」と語ったが、悲壮感や必死さは連敗中には逆効果に働くことがある。首脳陣は腹をくくって投手にも打者にも心理的に余裕を持てるような指示を送るべきではないか。ラミレス政権の5年間で3度、クライマックスシリーズに進出、2017年にはCSを勝ち抜き日本シリーズに進出するなど、暗黒時代を脱したのは、豪快なノビノビ野球だったはずである。