大阪府・吉村知事が定例会見6月24日(全文3)オンライン授業整備は予定通り
ワクチン開発のスケジュールはどういう経緯で発表したのか
共同通信:共同通信の山本です。大阪大学で研究が進んでいます新型コロナのDNAワクチンの件で伺います。本日、市大病院のほうで治験審査委員会が開かれる予定でして、このワクチンについても議論されると思いますけども、知事は先週17日の定例会見で、すでに6月30日に人への投与、治験を実施するというふうに発表しておられます。一方で、治験審査委員会のほうの関係者からは倫理性、安全性、それから科学的な妥当性についてチェックする審査委員会は本日開催予定ですので、その開催前に行政サイドから決定事項のように発表されたということについて、その対応をちょっと疑問視するような声も上がっているんですけども、先週の記者会見でワクチン開発のスケジュールを発表されるに際して、府庁の中でどういった議論があって、どういう経過で定例会見での発表になったのかお知らせいただけますでしょうか。 吉村:まず、最終的に決定をするのは、これは市大の倫理委員会で決定されるということになると思います。ですので、これがもし30日、どういう決定になるかは分かりませんが、最終的な決定はそこで判断されるということになると思います。ただ、そのワクチンについてのいわゆる目標、これはワクチンを開発して進めていくという目標というのを、いわゆる協定も結んでいるわけなので、知事の立場で、14日に協定を結んでいますので、市大と阪大と、それから大阪府市で決めていますから、それについての目標を掲げるということは、これは知事にまったくしゃべるなというのもおかしいですから、その目標を掲げているということです。最終的なところは倫理委員会、市大において決定されると思ってますが、僕はその目標値として府民の皆さんにお知らせをしたということです。その前日には松井市長もお知らせをしているということだと思います。
現場に過度なプレッシャーがかからないか
その中身については、ある意味、森下先生も含めていろんな進捗状況はお聞きをしていますので、それに基づいて、森下先生以外にもお話はお聞きしますが、それに基づいて、ある意味、方向性というか、目標というか、そういうものを発表していくということです。最終的には市大の倫理委員会で決められるというふうに思います。 共同通信:関連してなんですけども、今回ワクチンの研究開発、あるいは製造の主体ではない行政の側から、特に知事のように知名度と影響力のある方がメディアに出て、何回も繰り返してスケジュール、それから見通しについて断定的に発信されますと、当然それを見ている府民、国民の期待値も上がると思います。そういう今の状況について生命倫理の専門家の中からは、現場に過度なプレッシャーにならないかちょっと懸念があるというような指摘もあるんですが、知事のご見解はいかがでしょうか。 吉村:一定の、あるいは、いろいろわれわれも話を聞いて協定も結んでいますので、府民の皆さんに目標を示していくというのは知事としても必要な役割だというふうに思います。知事に一切しゃべるなというんであれば、もう協定結ぶ必要もないし、独自でそれぞれにやっていくということになるんじゃないかと思います。オール大阪でやっているので、別に僕、邪魔するつもりでもなんでもないんですけれども、最終的には市大の倫理委員会でこれはまず決めることだし、それ以外にもいろんな国の手続きだとか、あるいは困難な課題というのはたくさんあります。全てが予定どおりにいくわけではありません。 でも、やはり命を守る、そして、特に今ワクチンがない中で医療従事者の皆さんっていうのは最前線で闘ってらっしゃいます。そういった医療従事者の皆さんに、有効なワクチンというのが、なんとかこれを大阪でできるだけ早くできないかというのは、知事としては普通の思いだし、それから重症でお亡くなりになられる方も、このワクチンが一定程度、効果が出れば、これは命を救えるということもいわれているわけなので、その進捗とか目標っていうのを知事の立場で発表する、ある意味そのこと自体を非難されるというのも少し違うんじゃないかなとは思ってます。 【書き起こし】大阪府・吉村知事が定例会見6月24日 全文4に続く