京王電鉄が井の頭線で自動運転を活用したワンマン運転の実証試験を開始へ
鉄道分野でも自動運転化が着々と進む
2024年11月6日、京王電鉄は2025年春に自動運転設備を活用することで可能になるワンマン運転の導入に向けて、実証試験を開始すると発表した。対象は井の頭線の全線で、回送列車に運転士と車掌が乗務して実施する。 【写真】実証試験の実施方法を詳しく見る 京王電鉄はホームドアの整備や自動列車制御装置(ATC)※導入など、利用者の安全確保と地域社会の課題解決に取り組んできた。※:先行列車との間隔や曲線、分岐、下り勾配、停車駅などさまざまな条件をもとに、常に適正な速度で走行するよう列車をきめ細かく制御する装置。 今回発表された井の頭線での自動運転実証試験はその延長線上にあるもので、将来的な自動運転設備を活用したワンマン運転の実現に向けた施策と言える。同試験では、運転操作全般(加減速)を自動化し、均質な運転を行うことで、定時性向上と省エネ効果を検証するという。 また、駅停車時に使用する定位置停止装置(TASC)※の停車精度を向上させ、ホームドア設置計画へ対応していくほか、試験結果は京王線での自動運転化に活用される。※:駅停車時に停止位置目標へ自動的にブレーキをかけて正確な位置に停車させる装置。 少子高齢化や働き方改革などにより鉄道事業を取り巻く環境が急速に変化する中、自動化の取り組みが鉄道の持続可能性にどこまで貢献できるのか、今後の展開に注目である。 【実証試験の概要】 試験開始:2025年春 対象路線:井の頭線全線(営業キロ12.7km) 試験方法:井の頭線1000系を使用し、回送列車にて運転士/車掌乗務のもとに昼夜問わず実施