「小1の壁」小学校入学で生活が一変、働く親たちを悩ませる“想定外の事態”5選
ケース②長期休み前後の半日帰宅
「連休前後の数日間は盲点だった」 私だけでなく、周囲にもそう言う親は少なくない。夏休みや春休みなどの長期休みの前後は、子どもが給食の前に帰ってくる「午前帰宅」が数日間ある。 これも①同様に両親が近くに住んでいる場合は協力してもらったり、半日勤務やリモートワークなどにして、自分の働き方を調整したりする必要があるのだ。 学童は長期休みがある月だけ申し込めるケースもあるが、地域によっては学童の定員オーバーで受け入れてもらえないことも……。長期休みだけでも学童の利用を検討している人は、いまのうちに確認しておくと安心だ。
ケース③緊急時の対応
想定外の小1の壁には、急なアクシデント・トラブルへの対応も含まれる。 わが子が通う学校でとくに多かったのが「学級閉鎖」。インフルエンザやコロナウイルスなどの感染症の風邪が流行し、一定期間登校を控える措置のことだ。学校から連絡があった翌日から数日間休みになるケースが多く、加えて学童の利用もNG。すぐに仕事の調整をしなければならなかった。 そのほか、不審者情報や事故、自然災害の影響による早期のお迎えや付き添いの要請など、突発的な連絡もあるのだ。
ケース④環境変化に戸惑う子どものケア
環境の変化に戸惑うのは親も子どもも同じ。わが子の場合は、保育園時代は積極的で天真爛漫、登園しぶりもなくスムーズだったが、小学生になると、毎朝涙を流しながら家を出るようになった。この状態は秋ごろまで続いた。 しかしこの変化について、担任の先生は「入学後の子どもの反応としては珍しくない」という。友だちの有無も関係ないようだ。 新しい環境、友達、生活リズム。さまざまなことが重なる中で、子どもなりに対応する力が求められるわけだが、親のサポートは必須だ。 親が思う以上に子どもは大きな影響を受けてストレスを感じているため、寄り添える時間と心の余裕を持てるかが試される。
ケース⑤PTAや保護者会など親のイベントは基本平日
ここ数年はコロナウイルスの影響もあり中止されていた保護者の集まりも、昨年度あたりから復活してきた。 現在6年生の子どもがいるママは「PTAやイベントの準備はほぼ平日の夜だった」という。これに参加するため、仕事を早退したり、夕食がつくれなかったり……。どちらかの親が対応できなければ、子どもだけを家に残して出かけることもできず、やむを得ず欠席することも。任されている業務があるときは、別の人に頼んだり、別日にやったりしていたそうだ。 役員ともなればさらに活動が増え、集まりのほか資料作りのような事務的な作業も地味に負担になる。とはいえ、共働きの時代、どの家庭も夫婦そろって働いているため、自分たちだけ「時間がない」と言って断るわけにもいかない。 多くの親が「保育園よりも小学校のほうが、周囲の協力や仕事の調整が必要」と口を揃える。 小1の壁への対応は、情報収集と事前準備が大切だ。筆者は、入学予定の小学校に通う子どもがいるママやパパから話を聞いたり、職場に勤務形態の変更ができるかどうかを確認したりしていた。 結果的に家庭と会社の双方の事情を踏まえ、対応が難しいと判断し退職。フリーランスとして家で働く手段を選んだため、難なく対応できた。 小1の壁を厚く感じるかどうかは、子どもの性格や会社の対応、家庭環境による。問題なく乗り越えられた人もいるだろうが、それはあくまでも結果論。小学校への進学により、生活が変化することは明らかである。 来年、子どもが小学校に上がるという人は、今のうちから情報収集をして対応できるかどうかを夫婦で話し合っておくとよいだろう。 <文/新田ミキ> 【新田ミキ】 フリーライター。1987年、埼玉県生まれ。山梨在住2児の母。子どもが小学生に上がるタイミングで正社員からフリーランスに転身。X(旧Twitter:@mikifreeeee)ではフリーランスママのありのままを発信中。2023年に“小1の壁”をテーマにした電子書籍『小1の壁×在宅ワーク』を出版。
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