FF金利は不完全な流動性指標、市場規模小さく-JPモルガン
(ブルームバーグ): 米金融当局が国内金融システムの流動性を測る上で、市場規模が小さいゆえにフェデラルファンド(FF)金利は不完全な指標だと、JPモルガン・チェースは指摘した。
ニューヨーク連銀が先週導入した指標は、銀行システム内の準備預金が需要に見合っていることを示し、米当局が量的引き締め(QT)プログラムを通じ金融システムからの流動性引き揚げを継続できることを裏付けた。この指標はFF取引と準備預金規模に関するデータを基に算出される。
同行ストラテジストのテレサ・ホー、パンカジ・ヴォーラ両氏は18日公表されたリポートで、「冷静に見ると、米金融当局が市場流動性の指標としてFF金利をより重視していると見受けられることにわれわれは若干驚いている」とした上で、「FF金利は銀行が自らの『超過』準備預金残高を取引する価格を反映するものだが、FF市場は規模が小さい」と分析した。
市場参加者は、QT終了時期や、流動性圧力が憂慮すべきほどに高まる前に当局がQTを終わらせるかどうかについて手掛かりを求め、流動性指標と短期金融市場を注視している。ダラス連銀のローガン総裁は21日、市場の流動性について、依然として「十分過ぎるほどある」と述べた。
JPモルガンは「流動性がさらに失われれば準備預金にますます影響するため」、当局は2024年末までにQTを終了する可能性が高いとの見方を示した。
原題:JPMorgan Sees Fed Funds Rate as an Imperfect Liquidity Measure(抜粋)
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Alex Harris