ヒョンデの「コナ」に新ラインナップ「N Line」が追加。個性強めだけど実用性は十分だ!
使い勝手の良いBEVとして十分なパフォーマンスを発揮
さて、気になる走りですが、コナそのものは「走る」「曲がる」「止まる」といったクルマとして基本性能に長けているといえます。快適性も十分にあり、その意味でバランスに優れたBEVといえるでしょう。 パワートレーン系は前述したようにラウンジとスペックは同じです。定格出力50kWのモーターを使って前輪で駆動し、そこから得られる最高出力は204PS・最大トルク255N/m。決してハイスペックなものではありませんが、電動車として不満のない動力性能は獲得できています。搭載したバッテリーもラウンジと同じ容量である64.8kWhで、フル充電時の航続距離はWLTCモード541kmと十分。とはいえ、実際の走行ではエアコンの利用や道路のアップダウンによる負荷もかかるので、その7割程度の航続距離と思った方がよいかもしれません。 走り出してまず感じるのが、コナ N Lineは必要にして十分なパワーが得られているということです。電動車にありがちな、低速域からズドーン!というトルクの出方ではなく、トルク感を発揮しながらやんわりとスムーズに加速していく感じです。しかもボディはしっかりとした剛性があり、そのために安心感もあります。ガソリン車からの乗換えでも違和感なく乗れるのがBEVであるコナ共通の美点といえるでしょう。 フロアは若干高めとなっていますが、ルーフが高いこともあってヘッドクリアランスも十分確保されており、その分だけ視点が高いため前方の見通しは良好です。ステアリングは若干重めに感じますが、切ったときの取り回しは良好で、市街地でも全幅1825mmの幅広ボディによるハンデをほとんど感じさせずに済みました。 ドライブモードは「NORMAL」「ECO」「SPORT」「SNOW」から選択可能。 N Lineらしいスポーティな走りを期待するならSPORT一択です。キビキビとしたアクセルワークとなり、それでいて過敏にならないのが助かります。一方、NORMALでも十分なスムーズに走れるので、個人的には日常ではNORMALで十分ではないかと思いました。また、 N Lineにはパドルシフトも装備されており、これを上手く使えば回生を使ったワンペダルドライブも可能となります。これを峠道で使えば楽しさは倍増するでしょう。