ヒョンデの「コナ」に新ラインナップ「N Line」が追加。個性強めだけど実用性は十分だ!
フラット感が増して乗り心地が向上。カーナビは未来感満載
コナ N Lineでは乗り心地の良さも向上したようです。シャシーも含め、基本的なスペックはベース車と変更はないとのことでしたが、過去に試乗したラウンジに比べてもフラット感が増している印象なのです。多少、路面のたわみが連続するとサスペンションがバタつく面もありましたが、路面からの突き上げ感もマイルドになっていて快適に乗ることができました。特に高速域では静粛性も高く、振動も少ない印象で、長時間のドライブでも疲れは少ないのではないでしょうか。 一方で、走行時には仮想のエンジン音を出すことができる「エレクトリック・アクティブサウンドデザイン(e-ASD)」も装備されていました。エンジンに郷愁を感じる人向けの装備とは思いますが、個人的にはインバータの音を聴きながらBEVならではのフィールを楽しんだ方が良いと思います。まぁ、これも好み次第ですね。 ナビゲーションは、スピードメーターからヨコイチに並んだインフォテイメントシステムに含まれています。ポイントはルート案内中に画面上に表示されるAR機能。カメラで撮影した映像に進行方向を流れる矢印によって重ねて表示するものです。かなりギミックな装備となりますが、未来感を感じさせる装備としては楽しいでしょう。 その中で私が便利さを感じたのは、ルート案内時に一旦停止すると目的地までのルート全体を一時的に表示してくれる機能で、地図上で目的地までの進み具合が確認できます。また、スケールの異なった地図を2画面で同時表示できるのも良いと感じました。さらに、OTAによって地図データは常に最新版へと自動更新してくれるので、スマホのように常に最新の地図データが使えるのもうれしいですね。 コナは、そのデザインこそ個性が強めではありますが、クルマとして実用性の高さはクラスの中でも秀でているのは間違いありません。BEVとしての造り込みの巧さに、ヒョンデの実績が十分に発揮されています。BEVというと、どこか特別感をもってラインナップされる印象がありますが、 N Lineも含め、日本でもコナのような自然体のクルマがもっと登場して欲しいところです。 SPEC●全長×全幅×全高:4385×1825×1590mm●車両重量:1790kg●パワーユニット:交流同期電動機●最高出力:150kW/5800~9000rpm●最大トルク:255Nm/0~5600rpm⚫️一充電走行距離(WLTCモード):541km 撮影/茂呂幸正
会田 肇