来季のJ1参入プレーオフ方式を巡って深夜の大混乱
迎えた昨シーズン。新型コロナウイルス禍でJリーグはJ1参入プレーオフの中止を決め、今シーズンも同じ措置が取られた。この間に理事会では「一発勝負である以上は、延長戦までは実施した方がいい」という声が上がった。対してPK戦に対しては消極的な意見が多かったと、原副理事長が明かしたことがある。 「タイトルがかかった試合ならばともかく、次のシーズンをJ1で戦うチームを決める上でPK戦はどうなのかと。中立地での開催をあらかじめ決めておいて、新国立競技場を使えるのであればそこで、という案もあるとは思っています」 実はJリーグは2019シーズンに、J1参入プレーオフのレギュレーションの一部を変えている。外国籍選手の登録人数が無制限となったなかで、それぞれの公式戦でベンチ入りおよびプレーできる上限をJ1で「5」に、J2とJ3では「4」に定めた。これがJ1参入プレーオフ決定戦に限っては、J2の上限である「4」に合わせられた。 試合結果を左右するケースが多い外国籍選手の上限をJ2に合わせることで、戦力間の格差を可能な限り埋めたと原副理事長が説明してくれたことがある。 「戦力のバランスを上手く取りながら、それでも90分間で引き分けならばJ1クラブの残留となる。最終的に決まるまでに、かなりすったもんだしましたけどね」 今回の件にかんしてJリーグは「内容の確認が取れ次第、改めてプレスリリースにてお知らせいたします」としていたが、日付が22日に変わった時点で具体的な動きはない。誤った情報が発信された理由をめぐって、Jリーグ内が大混乱に陥っている状況が伝わってくる。 カタールワールドカップが11月21日に開幕する来シーズンは、J1およびJ2リーグ戦は2月19日に開幕。34試合を戦う前者は11月5日に、42試合を戦う後者は10月23日に最終節を迎え、YBCルヴァンカップと天皇杯も10月中に決勝が行われる。 その上でJ1参入プレーオフは10月30日に1回戦を、11月6日に2回戦を実施。過密日程下で開催されるシーズンの最後を締めくくる形で、同13日に組まれている決定戦の大会方式と試合方式が、図らずも注目される事態が再び生じている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)