ファーストリテイリング柳井氏を単独取材 “第2のヤナイ”は「望み小さい」【WBS】
ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正(やない・ただし)会長兼社長がテレビ東京の単独インタビューに応じ、自身の後継者や人材の育成について語りました。そのカギのひとつは海外の学生の支援にあるといいます。柳井氏の本音に迫りました。 1日、都内に集まっていたのはバングラデシュにあるアジア女子大学の学生たち。視線の先にいたのは、ファーストリテイリングの柳井会長兼社長です。実はこのアジア女子大学と東京大学の交流会をファーストリテイリングが主催していたのです。 学生が柳井氏に質問する一幕もありました。 学生「バングラデシュにもユニクロは展開している?」 柳井氏「ジーンズも作っていますし、カットソーも作っている。女性が単純に労働力ではない、指導者としてバングラデシュでもできるような活動を一緒にやっていきたい」 2013年からアジア女子大学へ奨学金などの支援を行ってきたファーストリテイリング。柳井氏はこれを手がける財団のトップも兼任しています。 これまで支援してきた卒業生はおよそ1500人。その中には、オックスフォード大学の大学院への進学やWHO(世界保健機関)などに就職し、世界に羽ばたく人材が生まれています。 イベントに参加したアフガニスタン出身のアジア女子大学3年生のマソマ・ニアジーさんは「将来の夢はソフトウエアのエンジニア。来年で大学を卒業するのでアメリカかカナダに行き、修士号を取得したい。アジア女子大学のおかげで新しい可能性が開けた。奨学金制度があったから学費の負担も心配せず学べた」と話します。 なぜファーストリテイリングはアジアでの教育支援に力を入れるのでしょうか。柳井氏がテレビ東京の単独インタビューに応じました。 豊島晋作キャスター「ファーストリテイリングとして、プログラムを支援する意味とは?」 柳井氏「今から成長するのはアジア。その中で成長する原動力は若い人。アジアの若い人は自分の国ではチャンスが少ない。だから海外との関係や海外で仕事をしてみたいという意欲が強い」 豊島キャスター「日本の人材はどうですか?」 柳井氏「もう少し鍛え直さないといけないかと思う。自分から求めていくような人材にならないと良くないのではないか」 豊島キャスター「なかなか第2のファストリ、“第2のヤナイ”は出てきていない」 柳井氏「いやあ、望みが小さい」 ファーストリテイリングは去年9月から今年5月の決算では純利益が前の年に比べ3割以上増えるなど業績は好調ですが、今後バトンを渡す人材の育成には課題を感じているようです。こうした課題は日本全体のものだと感じ、海外人材の育成に力を注いでいるといいます。 柳井氏「人材を採るということ。人材にチャンスを与えて人材になるように教育していくのか、そういう役割を与えるのか。全社自体がグローバルで仕事する意味を、本当に分かるような組織にならないといけない。それをしないと企業として消滅するかもしれない。これは中小企業であろうと零細企業であろうと、大企業であろうと同じ」