〈パリ五輪で国威発揚図る韓国〉開会式“言い間違え”で火が付く韓国人と、冷めたフランス国内
韓国人の肩を持つわけではないが、同じ環太平洋のオーストラリアから国旗を間違えられるとは思ってもみなかっただろう。 そして、このような流れを受けて、韓国で活動するフランス出身YouTuberのチャンネルに、罵詈雑言がコメントされるに至った。
大会を通じて「韓国」をアピール
開会式で国名を誤ってアナウンスしたことは許されることではないが、なぜ、韓国はこうも熱く反応するのだろうか。日本で長らく勤務したことがある韓国防衛産業大手の役員に、その理由を聞いてみた。 「韓国では、オリンピックを未だに国威発揚の機会と捉えているからですよ。メダリストよりも指導者の方が多くの報奨金をもらえ、男性のメダリストは徴兵免除されることなどからも明らかでしょう。 そして、一人当たりの国内総生産(GDP)で日本を追い越し、G8(先進8カ国)入りも近いと信じている韓国人にとって、国名を間違えられたこと、ましてや、悪の枢軸である北朝鮮と区別すらされていない現実に、自尊心が大きく傷つけられました。 このような社会の雰囲気や国民の感情があるので、世界は韓国を低く見ている。日本や中国より下に見られていると、被差別感情が噴出したのだと思います」 確かに、国威発揚というキーワードで韓国の報道を探っていくと、それらしき現象がいくつか見えてくる。 女子柔道57キロ級で銀メダルに輝いた許海実選手は、2002年東京生まれ、父は韓国籍、母は日本籍だ。日本に住む許選手は、池田海実という日本名で早稲田大学に通っている。そんな許選手の銀メダル獲得を報じた韓国紙の見出しには、「独立闘士の子孫」が大きく踊った。 許選手は、日本植民地時代の独立運動家で、逮捕歴もある許碩(1857~1920)の子孫であり、21歳で日本国籍を放棄し、韓国籍を選択したと、多くのメディアが誇らしく報じている。 このような報道は、民族史の英雄と五輪メダリストをなぞらえ、民族の偉大性を喧伝するものだろう。 そして、メディアの姿勢よりも、さらに前のめりなのが韓国政府だ。パリ市内の中心部に「コリアハウス」という応援拠点と文化発信の「前哨基地」を兼ねた施設をつくり、韓流の拡散に余念がない。コリアハウスは2004年のアテネ五輪で初めて設けられたものだが、パリ五輪では過去最多となる15の官民機関が提携して運営している。