【恐怖】「あなたの住んでいるマンションを知っている」企業の機密情報盗む「産業スパイ」驚愕の手口とは? 留学生として大学に潜入も…【2024年重大ニュース】
ロシアのスパイに従ってしまった日本人社員の末路
そんな事例が過去に日本で起きたことがある。 冒頭で紹介した、2019年、通信会社大手「ソフトバンク」の統括部長だった元社員が自宅から会社のサーバーにアクセスし、機密情報を不正に取得し、翌年逮捕された事件だ。 元社員は在日ロシア通商代表部の男から繁華街で突然話しかけられ、気付けば2人は会食を交わす仲となった。 そして、ロシアに帰国するという男は、自分の後任だというロシア人の男を元社員に紹介した。 後任の男はこれまでと同様、元社員との関係を深めていく。 そして案の定、会社の情報を求めるようになった。 1回あたり20万円の報酬を支払うなどという条件だった。 エスカレートする要求に、元社員は要求を断ったこともあったが、男から言われたある言葉に恐怖した。 「あなたの住んでいるマンションを知っている。」 実は、後任の男は、ロシアの情報機関「SVR=対外情報庁」に所属する、スパイとみられる人物だった。 結局、元社員は要求を断ることができず、機密情報をコピーしてしまったのだ。 ロシア人の男は事態が明るみになっても、警視庁の出頭要請に応じないまま母国に帰国した。 元社員をそそのかしたとして、書類送検され起訴猶予となったが、二度と日本に来なければいいのだから痛くもかゆくもない。 一方、元社員は2020年の裁判で不正競争防止法違反の罪などで、懲役2年・執行猶予4年の有罪判決を受けた。後悔しても仕切れない結末だったろう。 この事件での諜報活動はある意味わかりやすく、1人1人の危機管理と、自制心で防ぐことができるものだ。ただ技術流出にはさらにやっかいな手口が存在する。
中国系企業から「技術の指導依頼」装ったケースも
次に【経済・学術活動を通じた技術流出】を紹介する。 これは主に中国人が関与する「産業スパイ」の話になる。 ある日本の研究機関に中国系企業から「技術の指導をお願いしたい」という依頼をするほか、知識・技術をもった日本の研究者を中国に招いたり、日本の研究機関に中国のスタッフを派遣して見学したりと、徐々に関係を深めようとするのだ。 きっかけを作って、接触した研究者を懐柔したり、研究所に赴いて研究内容を盗み見たりと、どうにかして先端技術を奪おうとするケースが散見されているという。 まだまだ他の手段もある。 中国系企業からの「ヘッドハンティング」「共同研究・業務提携」「合弁・買収」「海外展開」「商品サンプルの要求」などの打診。 このような合法のアプローチを装って、研究者に接触する手口はいくらでもあるのだ。 もちろん、なかには善意のある純粋な提案をする企業もあるが、経済大国である中国からの打診は、一見魅力的なものも数多く、簡単には拒絶できないために悪意がある「産業スパイ」にひっかかってしまう可能性があるのだ。