カワサキ「Z2」いよいよお化粧直し段取りへ突入 ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.22
ガンコートペイントの塗膜は、エンジン熱を積極的に冷却する「高い放熱効果」を持つ高機能ペイントとしても知られています。過去にレース用空冷4ミニエンジンで体感していて、その素晴らしさを空冷4気筒でも味わいたいと考え、施工することにしました。しかも今回は、ボアアップによって1000cc化するので(あくまでトルク重視仕様のエンジンですが)、熱対策も施しておきたいと考えています。
気になる耐ガソリン性や耐溶剤性に関しても、高いアドバンテージを持つのがガンコートペイントてす。吹き付け後には高温乾燥器で塗膜を「焼き付け乾燥」しなくてはいけませんが、その工程をクリアできる設備があれば、ガンコートほどエンジン部品に対して素晴らしい効果を発揮するペイントは無いと思います。 作業手順と乾燥温度は、ペイント施工後に10~15分程度の自然乾燥で塗膜を落ち着かせます。その後、高温乾燥器に入れて180℃に温度設定し、乾燥器内温度が180℃に達してから、1時間以上焼き付け乾燥させるのが手順になります。 個人的な印象では、クランクケースなどの大物部品は、手順通りに焼き付け乾燥させ、自然冷却で常温へ戻ってから、再度、同じ手順で焼き付け乾燥させることで、より一層、良い仕上がりになる印象です。小物部品やエンジンカバーなどは、部品が小さく薄いため、1回の乾燥で十分な仕上がりになると思います。
仮に、小物部品の焼き付け乾燥であれば、卓上サイズの小型高温乾燥機もあります。ガンコートペイントの発売元であるカーベックでは「CVジュニア」のネーミングで商品ラインナップしていて、DIYユーザー向けにすでに3000機以上の販売実績を誇るそうです。過去にミニバイク耐久レースへエントリーしていたときには、ホンダ4ミニエンジンのガンコートペイントは、すべてDIYかつCVジュニアで仕上げました。
もうひとつ触れておきたいのは、ガンコートペイントは1液性で、シンナーや硬化剤など、他の溶剤を混ぜることなく施工できる点です。自分自身だけの特色を作りたければ、標準色をベースに混ぜ合わせて調色することも可能です。過去に異なる2種類のゴールドを混ぜ合わせて、標準色には無い特性ゴールドを作ったこともありました。