自動車メーカー大再編で「脱炭素イデオロギー闘争」が始まった! ホンダ&日産EV連合に三菱も合流!
世界的なEV失速が叫ばれる中で、あえて逆張り的にEVシフトに突き進む姿勢を明確に打ち出した3社連合(ホンダ、日産、三菱)。この協業の先にはいったい何があるのか? 3社のもくろみに迫る。 【図】2024年上半期のメーカー別新車販売台数ランキング、国内大手自動車メーカーの協力図 ■メディアや専門家からは"弱者連合"の声も EV連合爆誕! 8月1日、ホンダと日産はEVなどの分野で協業すると電撃発表! しかも、この2社の提携に日産傘下の三菱も参画するという。これでニッポンの自動車業界は"全方位戦略"で脱炭素に挑むトヨタ系と、3社連合(ホンダ、日産、三菱)の2陣営に再編された。 100年に1度の大変革期を迎えた自動車業界で生き残りをかけた感じの協業だが、メディアや専門家からは《弱者連合》《金欠集団》といった負のワードも聞こえてくる。ランキングを見れば一目瞭然だが、今年上半期の国内の新車販売台数でホンダと日産はトヨタどころか、スズキの後塵を拝しているのが現状なのだ。 さらに言うと、昨年のトヨタ系の世界新車販売は1660万台(トヨタ1030万台、スズキ316万台、マツダ124万台、ダイハツ98万台、スバル92万台)。一方の3社は832万台(ホンダ407万台、日産344万台、三菱81万台)。 ただ、トヨタ系との差は歴然としているものの、832万台という数字自体はかなりスゴい。何しろ昨年の世界新車販売のランキング2位のフォルクスワーゲングループに次ぐ数字(924万台)だからだ。 それなのに、3社が揶揄される理由はなんなのか。実は今年の4~6月期決算でトヨタとホンダは営業利益で過去最高をマークしたが、日産は前年同期比99%減(!)の9億円だったのだ。 この惨敗のワケは、北米で販売好調のハイブリッドに新型を投入できなかったのがデカい。これにより日産は今年度1年間の世界販売台数の見通しを引き下げた。 肝心要の国内EV販売も惨憺たるもので、自販連(日本自動車販売協会連合会)と全軽自協(全国軽自動車協会連合会)の発表によると、7月の新車販売で日産自慢の軽EVサクラは2169台(前年同月比32%減)、フラッグシップのアリアは365台(前年同月比28%減)、リーフは490台(前年同月比3%減)と低迷。ちなみにサクラは今年上半期の販売も前年同期比38%減と大苦戦。