アンチエイジングに「腹8分目」はなぜ良いの? 老化の原因“活性酸素”を減らし“健康寿命”を延ばす正しい食べ方
スカベンジャーを元気にする食べ物
スカベンジャーを作るためには良質のアミノ酸(たんぱく質)をはじめ、マンガン、銅、亜鉛、鉄、セレンなどが必要だ。 また、スカベンジャーを元気に保つためにはビタミン類やポリフェノールが必要で、それらを含む食材の一部を紹介しよう。 【スカベンジャーを作る栄養素を含む食材】 たんぱく質…肉、魚、卵、乳製品、大豆 マンガン…ピーナッツ、れんこん 銅…カキ、アーモンド 亜鉛…カキ、ごま 鉄…レバー、ほうれん草、ひじき、あさり セレン…大豆、イワシ 補酵素Q10 …牛肉、イワシ、ほうれん草 【スカベンジャーを外から助ける食材】 ビタミンA…うなぎ、にんじん、緑黄色野菜 ビタミンC…レモン、キウイ、いちご、緑茶 ビタミンE…小麦胚芽、アーモンド、ごま ビタミンB2…鶏卵、牛乳、納豆 ポリフェノール…ぶどう、トマト、玉ねぎ 日本人が昔から飲んできた緑茶のカテキンは強力な抗酸化ポリフェノールだし、イワシや鮭は良質なたんぱく質、ごまには「老化防止ビタミン」ともいわれるビタミンEが含まれるなど、活性酸素から身を守る食材は身近にあふれている。 今はさまざまなサプリも出回っているが、不足した時の補給に留め、なるべく食事で栄養を摂ることが推奨されている。
骨粗しょう症の予防は10代から
若々しく生活するためには丈夫な「骨」も必要だ。 しかし日本人は骨に良いといわれるカルシウム摂取が昔からそれほど多くなく、飽食の現代で唯一足りない栄養素とも言われている。 骨密度は男女共に年をとれば落ちるが、男性は青年期にしっかりと貯蓄しているため、骨量が減っても転倒して骨折するリスクは女性に比べて少ない。 一方、女性は若い時にダイエットをする人が多く、栄養が低空飛行になりがちだ。加えて、女性ホルモンには骨密度を保つ働きがあるが、50歳前後で閉経するとその作用も衰え骨はスカスカになる危険性がある。 女性は閉経後も平均で約37年間生き続けるのだから備えが必要だ。 そこで菅沼医師は「女性ホルモンの分泌が盛んな10代から30代までが骨密度を上げるチャンス」だと訴える。 骨粗しょう症の予防に必要な栄養素は主に、カルシウム、たんぱく質、ビタミンDとビタミンK。 カルシウムは骨や歯だけでなく、血液凝固や酵素反応、筋肉の収縮、神経の伝達などになくてはならない元素で、成人で一日600mg、子どもは500~700mg、妊婦は1000~1100mgが必要とされている。 たんぱく質は最大骨量を高める役割を担い、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し骨量維持に欠かせない。また、ビタミンKは骨を形成する骨芽細胞を増殖し、骨量を増加させる働きがある。 それぞれの栄養素を多く含む食品は以下の通りだ。 カルシウム 成人1日 600mg 牛乳(1本 200g)…220mg ヨーグルト無糖(1カップ 100g)…120mg プロセスチーズ(1cm厚 1切 20g)…126mg 木綿豆腐(半丁 150g)…180mg イワシ丸干し(30g)…132mg 小松菜(95g)…162mg たんぱく質 牛肉(脂身なし 100g)…20g 豚肉(脂身なし 100g)…20g 鶏肉(ささみ 100g)…23g 卵1個 …10g 鮭一切れ(80g)…30g ビタミンD 日光にあたると活性型ビタミンD3に変化 鮭、うなぎ、さんま、ヒラメ、イサキ、メカジキ、きくらげ ビタミンK 納豆、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、キャベツ、わかめ そして運動も大事だ。重力に逆らう運動は骨に刺激を与え、骨密度が保たれる。 立ってかかとを上げ下げする「かかと落とし」やウォーキング、座ったまま両足を浮かせて足首を前後に動かす運動など、毎日実践してほしい。 人生100年時代。 正しく食べて、適度な運動と十分な睡眠でアンチエイジングに取り組んでいただきたい。 参考:図表2-1-1 平均寿命と健康寿命の推移|令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-|厚生労働省
プライムオンライン特集班