「非公認にすれば勝てるというのは間違い」 裏金議員・平沢勝栄氏の恨み節
「電車移動となり、うれしかったみたい」
「裏金議員」の処遇問題で揺れに揺れた自民党は単独過半数割れの“大敗”。「公明」と「維新」が苦戦し、「立憲」が善戦――。10月27日投開票の総選挙、公示を機に「選挙のプロ」が行った完全シミュレーション。そして選挙後、石破茂首相を待ち受ける未来やいかに。【前後編の前編】 【写真13枚】まるで芸能人のような女医も…自民党「美人候補」たち ***
衆院選の公示日である10月15日、福島県いわき市小名浜。「第一声」の場としてこの地を選んだ石破茂首相は引き締まった表情で、 「新しい日本の再生に懸けるわれわれの思い。この福島いわき小名浜か上げさせていただきたい。そのような思いで、ここに立たせていただいています」 集まった聴衆にそう呼びかけたのだった。 政治部デスクが言う。 「鉄道オタクとして知られる石破首相は直前まで福島へ電車で行けるのかどうか気にしていたようですが、最終的に電車移動となり、うれしかったみたいです。10月頭に自民党が行った情勢調査では非常に厳しい数字が出ていたものの、直近の調査では少し持ち直していることが判明。それもあって、少し余裕が出てきているようです」
「単独過半数を割るのはほぼ間違いない」
では、実際の見通しはいかなるものなのか。元自民党事務局長で選挙・政治アドバイザーの久米晃氏は、 「自民党が単独過半数を割ることはほぼ間違いないでしょう」 と、予測する。ちなみに久米氏は自民党職員として30年以上も選挙に携わった「選挙のプロ」である。 「自民は衆院解散時点では、党員資格停止処分中の議員を含めると258議席を有していました。ただし、非公認となり無所属で出馬する議員が11人いるため、258から11を引いた247議席からのスタートとなります。衆院定数465の過半数は233議席。つまり、自民は15人以上落選すると単独過半数割れとなるのです」(同)
自公でギリギリ過半数か
東京地検特捜部が手がけた「政治資金パーティー収入不記載事件」に関係したとして非公認となったのは、下村博文元文科相や西村康稔元経産相など12人。松野博一前官房長官や武田良太元総務相など34人は公認はされたものの、比例名簿には登載されなかった。比例単独での出馬を模索した杉田水脈、上杉謙太郎、尾身朝子の三氏も比例名簿に登載されず、杉田氏と尾身氏は不出馬となった。 「10月頭に行われたという自民党調査は、“接戦になっている人が20人いる。その20人が全員当選となれば単独過半数を取れるかもしれない”という結果だったとの話がまことしやかに語られています」 久米氏が続けて話す。 「過半数は233議席ですから、そこから20を引いた213人しか“当確”の人がいないことになります。公明党の現有議席は32。10人落ちて20議席程度になったとすると、自公でギリギリ過半数ということになるのです」 石破首相は自民・公明両党での過半数獲得を勝敗ラインと定めている。しかし、10月頭の時点ではその目標達成すら危ぶまれていたわけだ。