「非公認にすれば勝てるというのは間違い」 裏金議員・平沢勝栄氏の恨み節
「11すべての選挙区で落選の可能性も」
公明党が前回に比して厳しい戦いを強いられることが予想されるのは、 「戦力の分散が原因。前回、公明は9の小選挙区に立候補者を出しましたが、そのうち六つは関西。当時、公明は日本維新の会と協力関係にあったので、関西以外の三つの選挙区に集中できた。しかし、今回は維新と全面対決することになったため、立候補者を出した11の選挙区全てに力を注がなくてはならなくなり、前回に比べて戦力が分散してしまっているのです」(久米氏) その結果、 「11の選挙区全て落選となる可能性があるくらい厳しい戦いになっています。公明の比例票は20年ほど前までは890万票ありましたが、前回は約700万票。公明の支持母体である創価学会の力が弱っているからそれだけ減っているわけです。その傾向は今回も変わりませんから比例での議席も減らすでしょう」(同)
なぜ不記載議員を推薦?
公明党が、不記載があった自民党の議員たちに相次いで推薦を出していることはすでに報道されている通り。 「当初は不記載議員の推薦は難しい雰囲気だった公明党が一転推薦に踏み切ったのは、もし不記載議員からの“比例は公明党”という活動がなければ、さらに比例票は落ち込むという危機感があったからではないか」 久米氏がそう解説する。 「不記載議員は、比例重複ができないので、小選挙区で当選するしかない。この公明党の推薦は、くもの糸のはずだが、問題は、公明党が支持者に“不記載議員であっても推薦した”という事をきちんと説明して、支持を通達してくれるのか、ということだ。でないと、不記載議員だけの片思いで終わってしまうことになりかねない」
維新も大敗する可能性
関西で公明党と全面対決する維新も苦しい戦いが予想されるという。 「万博に対する批判や兵庫県の斎藤元彦前知事の件が影響し、地元での維新議員の相次ぐ不始末でかなりイメージダウン。支持率も低迷し、維新も大敗する可能性があります。で、維新が減らした分がどこに行くかというと、立憲民主党。少し前ですが、立憲がGWの連休前後に行った調査では、現有98議席の2倍近い議席を確保できる、という結果となり、自分たちの勢いに自信を深めていた、と聞いています」(久米氏) 無論、立憲民主党がその“勢い”を今も維持しているか否かは定かではない。「裏金事件」が選挙結果にどこまで影響を及ぼすのか。全てはそこにかかっているといえよう。 そもそも自民党執行部は当初、不記載があった議員たちを「原則公認」とする方向で動いていた、とされる。実際、 「都道府県連から申請が上がってきた者については原則として公認します、と党は言っていました」 旧安倍派のある議員はそう話す。 「だから地方県連が上げた候補は全員公認されるとみんな思っていたんです。それをいきなり変えてしまったわけだから、極めて丁寧な対応をしなければなりません」