沖合の小さなサバまで一網打尽にする日本…「巨大サバが釣れまくる」ノルウェーと日本の決定的な差
幼魚の乱獲が進むことで資源はさらに悪化していきます。養殖マグロのエサには、サバ以外を使ったり、残渣を使ったりすること。サバを使う場合はエサ用の枠を設けること。マグロも大事ですが、資源が少ないのに小サバをエサ用にたくさん獲ってしまっている問題に気づくべきです。 もちろん、小サバを獲っても問題ないだけの十分な資源があり、資源が持続的になる仕組みになっていれば問題はありません。ただそれは、資源管理が機能する前提の遠い先の話です。
④ 漁獲枠の配分は資源が少ない時期は、沿岸漁業に優先配分する。 沿岸漁業を優先することは国連海洋法やSDGs14でも当たり前のことです。ノルウェーのように沿岸漁業に優しい漁業を目指すことが必要です。 ■「日本とは違うので参考にならない」のウソ ノルウェーの漁業を知らずに「日本とは違うので参考にならない」といったコメントをネットなどで散見することがあります。ノルウェーの関係者が読むと、いったいどこの国のことか? となります。先入観や偏見で言うのはよくありません。
違うのは資源管理であって、沿岸漁業の漁船が圧倒的に多いといった構造は同じです。自国海域で資源管理が完結しているわけではなく、外国とは90%以上の資源を共有しています。また巻き網漁業に大手は存在しません。 大事なことは世界に目を向けて、もっと広い視点から世界の成功例を取り入れていくことではないでしょうか。
片野 歩 :Fisk Japan CEO