「会社で働くのは憂鬱なこと」高校生のイメージ 外資系ジョブシャドウで変化したこと
「こんなに自然体でいいんだ」
3年の山本さんは、進学希望先の大学でマーケティングを学ぼうと考えています。 「会社、まして外資系の企業に触れる機会はめったにない」とイベントに参加。 ドラマなどから「会社に行くのが憂鬱で、スーツ姿の人がパソコンカタカタしてて……」とイメージしていた、会社員としての働き方とは全く印象が違ったそうです。 会社員は「ちゃんとしていないといけないというイメージ」でしたが「こんなに自然体でいいんだ」と思ったといいます。 「こんな風に個性がつぶされない環境で働きたい。働くのが楽しみになったし、早く大人になりたい」 1年生の楠田万侑さんは、両親とも専門職ですが「二人とも疲れて帰ってくるので、働くことへのイメージは『疲れる』が大きかった」と話します。 高校に進学してから、進路のアンケートなどが増え、必然的に大学や将来の仕事について考える機会が増えたといいます。 そんな中、学校からジョブシャドウの案内が届きました。母親からも「何事もチャレンジしてみたら」とアドバイスされ、「本当に働くことは疲れるだけなのか」と実態を知りたかったそうです。 今回、初めてオフィスという空間に足を踏み入れた楠田さんは、働く人の生き生きとした表情が印象に残ったといいます。PR担当の社員について仕事を見学しましたが、社内に貼ったポスターを、他の社員が足を止めて見つめる様子を見かけ「細かな作業にも意味があると思った」と振り返ります。
勉強する意味見いだすきかっけに
黒木さんによると、これまでこのプログラムに参加した人の中には、外資系企業を見学後に留学を決めたり、起業を志したりする生徒がいたといいます。 「学校の勉強は無駄ではなく、『学校で学んだことはこんな風に使うんだ』と気付くきっかけになるかもしれない。『こんなことをやりたい』と心に火をつける効果があるのではないでしょうか」 働き方の一端を見た生徒たち。黒木さんは「すべての企業が今回の会社と同じ雰囲気ではないけれど」と留意点を示しつつ、「大人の働く姿を通し、選択肢を広げてほしい」と話しています。