払いきれず、更新をあきらめる事例も…、実は人生の大きな支出の一つ「生命保険」の加入時に気をつけるべきこと
車や家などの高額な買い物は、何か月も吟味して決めるのに、総額にすると高額な買い物である生命保険は意外なほど人任せで決めるひとが見受けられます。付き合いで加入しているから断れないという話もたくさん聞きます。 【画像】70代の生保加入者の傾向 特に更新型の保険では、60歳以降に保険料が払いきれず、保険の更新をあきらめたという話も聞きます。
生命保険料は約1500万円にも及ぶ
人生で1番高い買い物はなんでしょうか? 多くの場合、「住宅」です。住宅は地域や広さで値段が大きく変わりますから、ひとくくりには言えませんが、住宅金融支援機構が実施している「フラット35利用者調査(2022年度)」によると、住宅購入価格の全国平均は、土地付注文住宅が4694.1万円、建売住宅が3719.0万円、マンションが4848.4万円、中古戸建が2703.6万円、中古マンションが3156.9万円です。間違いなく1番高い買い物です。 では、生命保険はどのくらいの金額になるのでしょうか? 生命保険文化センターが3年に1度行っている「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査 」によると、世帯の平均年間払込保険料は37.1万円という数字が出ています。仮に25歳から65歳まで40年間保険料を払ったとすると、1484万円という数字になり、住宅購入には及びませんが、相当高額な買い物となります。
付き合いや人任せで加入するケースも
高額な買い物をする場合、一般的にはかなりの時間をかけ、比較検討し、見積りを取ってからも、修正を重ねて決定するものです。実際住宅購入の場合、住宅展示場に足を運び、複数業者に話を聞き、業者を選択してからも、意向にあった住宅にするため検討を重ねるはずです。比較的高額な買い物である自動車の購入についても、同様に詳しく説明を聞き、試乗をし、価格の検討を重ねていくでしょう。 では、生命保険はどうでしょうか。比較的若い世代では、ショッピングセンターに出店している保険ショップや保険代理店などで、ライフプランを考えながら複数社を比較検討して決めるひとも増えています。 保険加入は、住宅購入や自動車購入と同じで、保険に入る目的がしっかりしていなければなりません。がんのリスクに備えたい、死亡時の遺族保障を準備したい、病気やケガ特に三大疾病に手厚く備えたい、介護費用に備えたいなど、それぞれの想いが保障内容に反映され、加入しているひとが内容を把握し、そのような事態が起きた時にはいつでも請求できるように理解している必要があります。 ところが、今でも、付き合いがあって頼まれて入っている、というひとは一定数いるようです。このような場合、お任せの設計で加入することも多く、保険料ありきで内容を把握しないまま加入してしまうこともあるようです。