緊急来日!年末メイウェザーvs魔裟斗戦が急浮上
続いて内山高志氏がアンバサダーを務めるボクシングの賞金トーナメントの会見が行われメイウェザーは、「偉大なるボクサーが隣にいて緊張している」という内山とガッチリ握手。10月19日に後楽園ホールで開幕する賞金マッチトーナメントの出場選手、3階級10人の発表を興味深く聞き「素晴らしいプロジェクト。100%サポートする。メイウェザープロモーションからも2人ほど出したい」と、自らの契約選手の中から推薦選手を送り込むことを明言した。今回のトーナメント参加は日程的に無理だが、来年3月からは、ワンマッチスタイルの定期興行を月一ペースで開催する予定で、そこに参加の可能性がある。内山も「強い選手を送りこんでもらえれば盛り上がる」と歓迎した。 メイウェザー効果で、同大会のスポンサー料は、すでに1000万円以上集まったため、ラウンドごとのKO賞金の額が大幅にアップ。1ラウンドのKO賞が50万円でワンマッチ大会ではMVP賞として100万円が用意される。 格闘ファンが気になるのは、メイウェザーがぶちあげているエキシビションマッチ計画だ。この日も「できれば年末にエキシビションで戦うことを考えている。昨年の大晦日は、9分間、いや実質は3分間だったが、4万人ものファンが集まり大成功した。ああいうものをまたやっていきたいし、ファイトマネーとタイミングが合えば実現する」と、そのプランが、進行中であることを明らかにし、「2人ほど対戦候補の名前を聞いているが、今は言えない」と、煙に巻いた。 その年末興行を仕切るTMTジャパンの幹部でもある徳弘氏は「対戦相手はビッグネームになるかも」と言ったが、実は対戦相手として急浮上しているのが魔裟斗だ。
日本の格闘界のカリスマとしてひとつの時代を築いた元K-1王者。2009年大晦日の「Dynamite!!」でのアンディ・サワー戦を最後に現役引退したが、2015年の大晦日には6年ぶりに復帰し、故・山本KID徳郁とキックルールで戦い、判定勝利を収めた。翌2016年の大晦日では五味隆典と5ラウンドのキックの特別ルールで戦いドロー。その後、2年間はリングに上がっていないが、この9月5日のインスタに「ついつい追い込んでしまう」とのメッセージと共にトレーニング風景の写真をアップするなど体力は維持している模様。メイウェザーと那須川天心との試合では、5階級以上違う体重差が問題となったが、ミドル級を主戦場にしてきた魔裟斗なら、ほぼフェアな体重でカードは組める。過去にボクシングルールでの試合経験はないが、大東旭、鈴木悟という2人のボクシングの元日本王者をK-1ルールで一蹴してきた経験もあり、アマチュア時代の現WBA世界ミドル級王者、村田諒太(33、帝拳)とボクシングスパーをしていたのも有名な話だ。 「メイウェザーが、日本にいるこの数日間でエキシビションの話をつめておきたいが、まだ何も決まっていない。体格差やネームバリューを考えると魔裟斗が候補の一番手。受けてくれるかどうか。ヴァンダレイ・シウバ(元PRIDE、元UFCなどで活躍)など重たいクラスの打撃系の総合格闘家でも面白いと思う」とは関係者の話。 メイウェザーには、今秋、サウジアラビアでエキシビションマッチを行う計画もあったそうだが、それが立ち消えとなったため、再び日本のリングに上がる計画を本格化する気で、日本の地上波放映と共にメイウェザーが契約している米国の有力ケーブルTV「ショータイム」で、その試合をPPV(課金)放送にしたい考えだという。 ただ魔裟斗が、たとえ現役時代であってもボクシングルールならば、メイウェザーはほぼ勝ち目のない相手。今年に入ってTMTサイドからの打診を魔裟斗は、一度、断っているという。昨年の大晦日の天心戦では、いい意味でも悪い意味でも、全世界に強烈なインパクトを与えたメイウェザーは、今年は一体誰と戦い“荒稼ぎ”するつもりなのだろうか。魔裟斗の動向も含めて格闘ファンにとって気になる“メイウェザー旋風”の行方である。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)